新興国向け短期融資　ＩＭＦが新制度創設

　【ワシントン＝共同】国際通貨基金（ＩＭＦ）は二十九日、金融危機で深刻な影響を受けた新興国を支援するため、新たな短期融資制度を創設したと発表した。通常の融資制度より手続きを簡素化し、緊急の資金需要に対応するのが狙い。

　米国発の金融危機は世界中に波及。一部の新興国は投資資金の流出で株価や通貨が大幅に下落している。この結果、外貨調達が困難になっている新興国に対し、短期資金を貸し付ける。

　今回の危機は、健全なマクロ経済運営を行っている国にも危機が広がっているのが特徴。ストロスカーン専務理事は「ＩＭＦは迅速かつ柔軟に資金需要に対応する」と述べ、経済安定化に必要な金融支援を積極的に実施する考えを示した。

　ＩＭＦは今回の金融危機で、アイスランド、ウクライナ、ハンガリーへの金融支援で暫定合意。ベラルーシやパキスタンとも支援策を協議している。