2008-09-13 10:53:45

【まとめ】定期借家契約への切り替えについて

テーマ:定期借家切り替え策動を粉砕しよう!

スマイルサービスは2008年8月8日以降、定期借家契約を謳っています。
実際、現入居者に対しても順次切り替えを図ってきています。


ここで、その切り替えについての対策、考え方をまとめました。

ページが分かれていますので、上から順に読んでいただくと分かりやすいです。


定期借家切り替え策動を粉砕しよう!


定期借家契約への切り替え事例


定期借家契約への切り替えについてどう対応すればいいのか?

2008-09-13 10:18:21

定期借家契約への切り替えについてどう対応すればいいのか?

テーマ:定期借家切り替え策動を粉砕しよう!

この記事は、定期借家切り替え策動を粉砕しよう!定期借家契約への切り替え事例 の記事の続きです。


これまで2回にわたって、定期借家契約への切り替えについて、相手のやり口と切り替えに応じる必要がないことを書いてきました。


再度改めて、現行契約と定期借家契約の相違を表にしてまとめておきます。


現行契約と定期借家契約の相違(あくまでスマイルのケースです)
契約の名称 施設付鍵利用契約書
(実質的には普通借家契約)
定期借家契約
契約の方法 これまで通り(新しく契約は交わさない) 公正証書等の書面による契約に限る。また、「更新がなく、期問の満了により終了する」ことを契約書とは別に、あらかじめ書面を交付して説明しなければならない
契約の期間 364日の契約はそのまま期間の定めのない契約に
or1年間の契約は法定更新後に期間の定めのない契約に
364日で終了
契約の更新 あり(法定更新) なし
契約の解除 とても制限された正当事由が必要 期間満了で自動的に終了
貸主に理由は必要ない
借主からの中途解約 更新後は3ヶ月前に通告 2ヶ月前通告
再契約料 必要ない 期間ごとに必要

このように、しいて言えば、解約時に通告する期間が早まるだけで、あとはすべて現行契約の方が有利です。


現状のスマイルの契約では、相手が実力行使で鍵を交換してくるかどうかはさておき、法的にはよっぽどの正当な理由がない限りは、このまま住み続けることが可能です。しかし、定期借家契約では、契約期間が満了すれば法的にも契約が継続される理由が失われることになります。


そもそも、現状の「施設付鍵利用契約」は普通借家契約になるのだから、この不自然で、社会的にも批判に曝されている独特の契約をやめたいというのであれば、当然「普通借家契約」への切り替えを図るのが当然です。
それを、入居者に不利な「定期借家契約」へ切り替えしようというのは虫が良すぎます。


すでに答えは明らかでしょう。


定期借家契約への切り替えに応じる必要はありません。


家に従業員が来たり、契約書類が送られてきても、毅然として拒否すればそれでいいのです。


具体的には、従業員が来てもサインを拒否し、追い返しましょう。

契約書類が送られてきても、そのまま書類は送り返さずに無視して結構です。


契約しないと住めなくなるなどと相手は言うかもしれませんが、そんなことはありません。
いまのままの契約で問題なく住むことができます。


なにも相手のいいなりになる必要はないのです。

入居者それぞれが自身にとってどういった選択が利益になるかを判断し、行動すればいいのです。

このブログがそのための判断材料となれば幸いです。


もし不安な場合や判断がつかない場合は、お気軽にご相談ください。


連絡先は nosmileact@gmail.com です。










2008-09-11 09:42:17

定期借家契約への切り替え事例

テーマ:定期借家切り替え策動を粉砕しよう!

この記事は、定期借家切り替え策動を粉砕しよう! の続きです。


これまでに分かっている実際の切り替え事例を見てみます。

スマイル入居者のみなさんは、どれか該当する事例はありますでしょうか?


・実際の切り替え事例


まず、現在確認されているスマイル・バジリカの定期借家契約書は2種類確認されています。


A)スマイルからバジリカへ貸主変更する場合


スマイルからバジリカへ貸主を変えてくる場合が、こちらの契約書 です。

このケースは23区外と一部の23区内のスマイル物件について確認されています。23区外についてはスマイルが撤退したという情報もあります。


契約書は「定期借家契約書(居住用)」と「約款」が一対になっています。


この場合、突然バジリカの従業員が家にやってきて、貸主が変わったので新しい契約書を書いてくれと言ってきます。


入居者が従業員に対し、貸主変更について説明を求めると、何度聞いてもまともな説明もせず、詳しい事情はわからない、バジリカへ契約を変更するから、契約書に署名してくれと繰り返すだけです。


さらに、肝心の定期借家についても、「バジリカの契約の場合、敷金礼金を払った上で2年間の賃貸借契約になっているが、敷金礼金なしで入居できるスマイルの契約はあまりに違うので、これまでのスマイルの契約に似た1年間の契約で保証人のいない契約にした」と説明しています。まったく定期借家の説明になっていないですが、実際に入居者にはこのように説明しています。


あと、当たり前ですが、この説明は貸主が行う必要があります。つまり、バジリカが貸主になるのであれば、バジリカの従業員が行う必要があり、関係のないスマイル従業員が行った場合は、定期借家契約は成立しません。
なので、その点も名刺を受け取るといったことで確認する必要があります。


また、この貸主がバジリカに変わる場合には、それに伴い、管理会社もスマイル・バジリカとは関係がないと思われる不動産業者に変更となり、家賃振り込み先もその会社に変わるようです。


B)貸主がスマイルのままである場合


そして、貸主がスマイルのままである場合は、こちらの契約書 です。


これは、新入居者に対してはもちろん、現入居者に対してもこちらの契約書で切り替えを図ってきています。
基本的に現行契約が終了する2ヶ月前に、郵送で次契約の書類として送付されることが多いようです。


「承諾書」と「定期借家契約についての説明書」、「定期借家契約書」の3種類からなっています。
「定期借家契約についての説明書」が特徴で、この説明書をもって、借地借家法38条2項の説明義務をクリアしようとしているようです。

「説明書」の3項に「尚、新たな契約につきましては賃料滞納、当該物件の建替え等特に問題なければ締結させて頂きます。」とあります。この文言を読む限りは、それなら契約期間が終わっても継続して住むことができるのかと、一見問題ないように思えますが、これはなんの強制力もありません。


定期借家契約は、これまでにも説明したように、期間満了後は終了する契約なので、基本的には出ていくことが前提です。なので、このような期待感を持たせる条項があったとしても、惑わされてはいけません。
契約終了のために貸主は特に理由はいらないのです。


次に、具体的な切り替え事例を挙げて、それぞれ問題点を指摘します。


・事例1 一部しか契約書が交付されない場合


貸主がバジリカへ変更されるケース(Aの場合)で、契約書の一部である「約款」が交付されない場合があるようです。


従業員が突然家にきて契約書への署名を求めるのですが、そもそも「定期借家契約書」と「約款」の1対で契約書としているはずで、一方を交付しないということがあるのは、おそらくその従業員も定期借家の意味を理解していないのでしょう。


杜撰な対応そのものですが、こういった場合には、別途書面を交付する義務を定めた借地借家法38条2項に反するので、定期借家契約は成立しません。


定期借家契約が成立しなかった場合には、普通借家契約となります。


・事例2 契約期間途中で切り替えを図ってくる場合


この事例も、貸主がスマイルからバジリカへ変わるケース(Aの場合)です。


注意するべきは契約期間で、いつから始まっていつ終わる契約なのか、という点です。


たとえば、現在有効である契約の契約期間が平成19年11月~平成20年11月であったとしたら、契約期間中の平成20年7月くらいに突如契約切り替えを迫り、そのまま定期借家の契約期間も平成19年11月~平成20年11月のままである場合があるようです。

つまり、契約期間中に契約期間はそのままで、契約の内容を定期借家契約へ変えてしまうということです。


これは、「契約日前にあらかじめ」説明する義務を定めた借地借家法38条2項に反するので、定期借家契約は成立せず、普通借家契約となります。


・事例3 現在の契約期間が終了する前に、契約書を郵送してくる場合


スマイルは2ヶ月前までに解約を通知するように義務付けており、現契約が終了する2ヶ月前に新しい契約書を送付してきます(主にBの場合)。


この場合に、問題となるのは、借地借家法38条2項の「建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。」という条文の「説明しなければならない」という文言の解釈です。


この条文を読めば、書面を交付した上で、「口頭での説明」を前提としていると解釈するのが自然ではないでしょうか。
この解釈に立った場合には、契約書を郵送で送りつけるだけでは定期借家契約は成立しません。
判例が定まっているわけではないので、はっきりしたことは言えないですが、もし裁判で争った場合には重要な争点になることは間違いありません。


そもそも、普通借家契約から定期借家契約へ切り替えは、紛争の原因になるのは明白で、平成11年12月の導入時にはその事態を懸念した参議院から切り替えをしないよう求める附帯決議 が出されています。

これは附帯決議なので、強制力はもたないですが、無用な紛争を避けるため原則として守られるべきではないでしょうか。


以上のように、定期借家契約は法律により成立要件が限られており、それほど容易に切り替えを行えるわけではないのです。


切り替えには応じないことが一番ですが、もし書類にサインしてしまったとしても、成立要件を満たしているか、十分確認する必要があります。


もし不安な場合や判断がつかない場合は、お気軽にご相談ください。


連絡先は nosmileact@gmail.com です。


続きはこちらの記事 です。















2008-09-10 09:39:13

定期借家切り替え策動を粉砕しよう!

テーマ:定期借家切り替え策動を粉砕しよう!

現在、直近の重要な課題は、スマイルサービスが定期借家契約への切り替えを図ってきていることについて、入居者のみなさんが判断を迫られていることです。


スマイルサービスは2008年8月8日以降、定期借家契約への切り替えを打ち出してきました。
そして実際、新しい入居者に対しては、定期借家契約書で入居させています。
この場合、初期費用として管理費として19300円を、火災保険料として10700円を、さらに保証会社との契約料として家賃の50%を徴収しています。


また、現入居者に対しては、現契約期間が満了するのを待ち、2ヶ月前に次の契約として定期借家契約書を送付し、何の説明もなく、まるで何事もなかったかのように切り替えを図っています。


他の事例としては、貸主がスマイルからバジリカへ変更することを理由にして現入居者に対し、定期借家契約への切り替えも図ってくる場合も確認されています。定期借家へ切り替え時に、どういうわけか家賃を下げてくる場合もあるようです。


重要な局面ですので、入居者のみなさんは、よーく、注意してください。
このブログでも説明しますが、少しでも分からない、不審なところがあるといった場合には、ご遠慮なくご連絡ください。


連絡先は nosmileact@gmail.com です。


ここで、はっきりさせておくべきことは、基本的に定期借家契約へ切り替えをすることで、なにもメリットはないということです。
切り替えに応じる必要はありません。
単に、いまの契約のまま住み続ければいいのです。


そのことを以下に説明します。


・現入居者の契約である「施設付鍵利用契約書」の実質的な意味合い


まず、現行スマイル入居者の多くは、「施設付鍵利用契約」という契約で居住しています。
この契約について、当初スマイルは「賃貸借ではない」、施設に付属している鍵の利用契約であるとしていました。


しかし、実態とそぐわないあまりに無理な理屈であるとようやくわかったのか、2008年9月の現在、スマイルは「施設付鍵利用契約」であっても「賃貸借」であると認めています。

これは、スマイルが裁判上で認めていることです。


これがなにを意味するかというと、これまでの「施設付鍵利用契約書」が「普通借家契約」になるということです。


・普通借家契約とはなにか


では、普通借家契約とはどういった契約なのでしょうか。


賃貸借契約が解除されてしまえば、入居者はその場に住む理由がなくなってしまうのですが、たとえば、普通借家契約の場合には、貸主がその賃貸借契約を解除するために、とても制限された理由が必要です(借地借家法28条 正当事由)。


また、たとえ契約期間が満了したとしても、契約はこれまでの条件のまま当然に継続し、解除して追い出すためには同じようにとても制限された理由が必要となります(借地借家法26条 法定更新)。


制限された理由とは、たとえば、貸主やその親族がその場所に住まねばならない理由だとか、家賃滞納が4.5か月以上継続し信頼関係の破壊があったと裁判所で認められた場合などです。


つまり、そんなことは滅多にないといってもよく、よほどのことがない限り借主は追い出されることがないのです。
とても借家人を保護した契約になっていると考えてください。


そして、これまでのスマイルの契約である「施設付鍵利用契約」の契約期間は364日としていた場合があったので、普通借家契約の場合は1年未満の契約は、借地借家法29条1項により定めた期間が無効となり、そのまま期間の定めのない契約となります。


借地借家法 第29条
建物賃貸借の期間
期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。


つまり、家賃さえあまり遅れなければ、これまで通りの契約で無期限に今の場所に住み続けることができるのです。


当然、1年ごとの再契約時に支払っていた3万円といった諸費用も必要ありません。


これはかなり有利な使える契約です(笑)。


多少面倒なのが、退去時には、期間の定めのない賃貸借の場合には、民法617条1項2号により、3か月前に解約を通告しなければならないことです。


民法617条1項2号
(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)
第617条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
2.建物の賃貸借 3箇月


といっても、リフォーム代ゼロで、特に敷金をあらかじめとられているわけでもないので、退去はそれほど難しくないはずですが(笑)。


・定期借家契約とはなにか


では、スマイルが切り替えをしたくてしょうがない、定期借家契約はどういったものなのか、簡単に説明します。


大きな特徴は以下の2点です。


a.契約で定めた期間の満了により契約が終了し、更新ができない。


b.普通借家契約に比べ借家人にとって不利益な契約になるため、成立要件が制限され、事前に書面を交付して説明しなければならない。


ひとつずつ説明します。


a.契約で定めた期間の満了により契約が終了し、更新ができない。


普通借家契約の場合は、貸主の更新拒絶や解約申し入れに正当事由がない限りは契約が終了しないのに対して、定期借家契約の場合は、期間が満了するとそこで契約は終了してしまいます(借地借家法38条1項)。


364日と期間が定められるとその期間が満了すると当然に契約は終了し、もしその場に住み続ける場合には、借主と貸主の双方の同意の下、新しく契約を結び直さねばなりません。


これは更新ではなく、新契約です。


つまり、契約が満了して、貸主側が「もう気に入らないから、契約するの嫌だ」と主張した場合には、借家人はそのまま追い出されてしまいます。これは借主にとって大変不利な契約になります。


この契約が活用される場合は、基本的に期間が過ぎれば出ていくことが前提となる場合です。

スマイル入居者のようにこれからもずっとこの部屋で住み続けようという方には不相応な契約です。


b.普通借家契約に比べ借家人にとって不利益な契約になるため、成立要件が制限され、事前に書面を交付して説明しなければならない。


定期借家契約は、借家人にとって不利な契約になるため、、契約の更新がなく、期間満了により契約が終了することについて、あらかじめ書面を交付して十分に説明し、借家人が理解し合意の下でのみ成立が可能と制限されています(借地借家法38条2項)。


この条件を満たさなかった場合は、定期借家契約は成立せず普通借家契約となります(借地借家法38条3項)。


条件とは、「契約日以前に、」「契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借が終了する旨を記載した書面を交付する」ことです。このどちらかが欠けても、定期借家契約は成立しません。


では、スマイルが実際に行っている切り替え事例がこの成立要件に該当するのか確認してみましょう。


続きはこちら です。









powered by Ameba by CyberAgent