民間病院を中心に構成する全日本病院協会(東京・千代田)が30日発表した2008年度の病院経営調査によると、病院経営の大半を占める医療・介護関連の収支率が赤字となった病院の比率が前年度と比べ8ポイント上昇し、32%となった。過去の診療報酬引き下げや医師不足が重しとなり、病院経営は悪化している。
医療・介護関連の収支率は回答病院全体で1.9ポイント低下し、102.3%となった。収支率が100を下回り赤字となった病院の比率は、6年ぶりに3割に達した。とくに都市部の病院で経営難が深刻。東京都では半数以上の病院が赤字だった。
前年度と比べて病床の稼働率が低下したほか、外来患者数も減少した。自己負担増などで患者が受診を抑制する傾向も影響しているとみられる。従業員1人当たりの医業収入が減少した一方で、従業員1人当たりの給与費は増えた。(30日 21:15)