身近な地域で安心して子どもを産み育ててもらおうと、生活クラブ運動グループ東村山地域協議会(白石悦子代表)が出産ガイドブック「産むナビ」を作成した。協議会主催の講演会やワークショップの参加者が、「地域に必要な出産情報を自分たちの手で伝えよう」と意気投合し、2年がかりで取材、編集にあたった。【斉藤三奈子】
ガイドには東村山市や立川市など多摩東部8市と埼玉県所沢市にある計54の病院や助産院のリストのほか、設備や診療方針、診療情報の公開、サークル活動などについて、アンケートに回答した12施設の情報を詳しく掲載した。子どもや育児の相談窓口として、自治体の子ども家庭支援センターや民間の子育て支援組織も紹介している。また、助産師の遠藤みどりさんの監修で分かりにくい専門用語の解説もつけた。
少子化に伴い、出産や子育ての体験を身近な人から聞く機会が減ったため、東村山地域協議会は06年、母子保健や国際保健が専門の疫学者、三砂(みさご)ちづる津田塾大教授を招き「女性のカラダと出産」をテーマに講演会を企画した。
さらに出産をテーマにしたワークショップも開催。「病院・助産院の情報が少ない」「破水しても長時間待たされた」「大変な時に連れ合いがいない」--など、さまざまな体験が発表された。これをきっかけに参加していた和田安希代さんら9人が「産むナビ」の作成委員会をスタートさせた。
和田さんは「1人で悩まず医療機関の特徴を理解し、女性が主体的にお産できるよう、助産師や保健師とコミュニケーションを図ってほしい」と話している。ガイドは500部作成し、1冊400円。問い合わせは和田さん(090・1795・1412)。
〔多摩版〕
毎日新聞 2008年10月30日 地方版