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母子保健奨励賞:毎日新聞社賞に3人

 母子保健の向上に貢献した個人を表彰する第30回母子保健奨励賞(母子保健功労顕彰会主催、日本母子衛生助成会・母子衛生研究会・家庭保健生活指導センター共催、厚生労働省・全国衛生部長会・毎日新聞社・NHK後援、日本ケミカルリサーチ協賛)の受賞者15人が30日、発表された。毎日新聞社賞には▽岩手県奥州市水沢総合支所健康増進課母子保健係長(保健師)、佐々木頼子さん(51)▽埼玉県熊谷市の中島助産院院長(助産師)、中島桂子さん(53)▽愛知県田原市福祉部健康課主幹(保健師)、塩之谷真弓さん(49)--の3人が選ばれた。

 他の受賞者は次の皆さん。(敬称略)

 <NHK賞>石川県輪島市、北浜陽子(53)▽山梨県富士河口湖町、堀内薫(51)▽那覇市、宮城雅也(54)

 <奨励賞>福井県美浜町、石丸悦子(54)▽島根県知夫村、山本久美子(52)▽東広島市、林裕美(44)▽山口県岩国市、松林美子(52)▽大分県豊後大野市、恵藤由美(48)▽宮崎市、金子加奈江(48)▽岐阜市、川鰭市郎(53)▽松山市、門田裕加(48)▽福岡市中央区、野口正子(53)

 ◇妊婦に寄り添い支え 中島桂子さん

 「自分の思いだけで活動してきたが、認められてうれしい」と喜ぶ。助産師として出産や子育ての不安解消に積極的にかかわり、若い助産師の指導や地域・学校での性教育など、広範囲な活動に日々追われる中での朗報。

 高卒後に病院勤務の看護師になったが、間もなく、自分の判断で仕事ができる助産師に魅力を感じ、資格を取った。複数の病院で数え切れない出産に立ち会ううち、病院側の都合を優先し、平日の昼間に出産を誘発させる計画分娩(ぶんべん)の手法に「産まされるようだ」と疑問を感じた。

 自らの2回の出産で妊婦が抱く不安を実感し、「お母さんに寄り添って支えてあげられる場」として、地域になかった助産院を開設。これまでの9年間に350人を取り上げた。自宅にいるような居心地の良さに配慮した助産院は、お母さんたちが気軽に訪れて悩みや疑問を打ち明け、相談できる寄り合いの場になった。「不安を抱えていたお母さんが、ここに通ううちに立ち直り笑顔を取り戻してくれる。私にとっても何よりの励みになります」と話す。【金沢衛】

 ◇虐待予防の態勢作る 塩之谷真弓さん

 保健師として22年。「時にはしかられながらも、楽しくやってきました。職場の代表として受賞したものと考えています」と語る。

 最近、仕事の中でも特に力を入れているのが虐待問題。01年から5年間、「あいち小児保健医療総合センター」(愛知県大府市)で「虐待ネットワーク委員会」の設立にかかわった。「母子がボロボロに傷つくまでに何とかならなかったのだろうか」と思った。医師らと協力し、予防のための態勢作りに取り組んだ。その一つが、出産した産婦人科と保健機関の電話番号を記した「ハローファミリーカード」の導入。何かあったら一人で悩まず、電話をしてもらうためだ。4月に赴任した田原市でも導入した。

 先日、買い物中に声を掛けられた。新人時代に未熟児相談で家庭訪問した母親だった。22年も前のことを覚えていてくれたことに改めて喜びと責任を感じた。

 看護専門学校を卒業後に県職員に採用され、同時に結婚した。子育てをしながら保健師のキャリアを重ねてきた。「ここまで来られたのも家族の協力があったから」と感謝している。【中島幸男】

毎日新聞 2008年10月30日 22時42分

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