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【愛知】一宮で「FRECKLE」の自主ブランド店 県内で染色、縫製…注目2008年10月28日
一宮市大赤見の水田地帯の中にある旧木工所の建物で、同市の小野信行さん(29)と中村若奈さん(26)が「FRECKLE(フリークル)」というブランド名の服を作り、販売する店を経営している。染色から縫製まですべて県内で行い、ゆったりと接客する独自のスタイルで、地元の人たちからも注目を集めている。 同店は今年5月に開店。鉄筋2階建てで延べ床面積100平方メートルあり、1階では服の販売、吹き抜けになった2階ではデザインや試作をしている。「日常の服で着心地が良く、長い間着てもらえる」をテーマにTシャツやスカート、シャツなどを作り、柄が少なく、飽きのこない製品が多い。 大阪府出身の小野さんと岐阜市出身の中村さんは、かつては名古屋市内の雑貨卸会社に勤めた同僚。繊維の町一宮の力を知り「服を作って自分たちで販売したい」という夢も一致して一緒に独立を決意。一宮の繊維工場を2人で回ると、生地の種類も多く、仕事も早い。一宮の特色を生かそうと拠点もここに構えた。 染色や縫製などの工場をあちこち回るうちに、後継者不足や輸入品に押されて厳しい状況なども耳にするが、小野さんは「だからこそ、私たちが地場産業の魅力を伝える役目を負いたい」と意気込む。 2人の目標は「買った服が古くなったら、もう一度、同じ服を買いに来てくれる店」。大量生産・大量消費ではなく、生地を作る人や縫製する人の顔が分かるよう接客に時間をかける。「手洗いが良いですよ」「シャツの縫製は、おじいさんが一人でやっていてね」…。話すうちに1時間たつことも珍しくない。店内には電球を多く配し、温かい雰囲気を演出。夜など、近所の人が散歩途中に「何の店かな」と立ち寄っていくこともある。 日々、確かな手応えを感じつつ、2人は「地元の人から愛される店になり、作る人の魅力を伝えていきたい」と目を輝かす。(問)FRECKLE=電0586(75)4161 (藤原啓嗣)
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