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【社説】これが韓国経済に対する誤解だ(下)

 さらに韓国の銀行が調達した短期外債は、そのほとんどが企業の貿易決済を支援するための貿易金融に関係している。最近問題となったアイスランドやハンガリーのように、不動産市場へと外貨が流れたわけではない。一般的に貿易が活発な国は短期外債も多い。日本も外貨準備が9967億ドル(約97兆2400億円)だが、短期外債は1兆2952億ドル(約126兆4000億円)となっており、ドイツ、シンガポール、香港なども短期外債が外貨準備よりも多い。ところがこれらの国と違って韓国は、短期外債よりも外貨準備2400億ドル(約23兆4000億円)の方が多くなっている。

 韓国経済の今年8月までの経常収支赤字126億ドル(約1兆2300億円)を問題視するのも誇張に満ちている。最近国際通貨基金(IMF)に支援を要請した新興国は、そのほとんどがここ数年で国内総生産(GDP)の5%を超える経常赤字を記録している。韓国はアジア通貨危機以降の10年間、こつこつと経常黒字を積み上げてきた。また今年の経常赤字の最も大きな原因だった原油高や原資材高も最近は落ち着いており、今月以降は再び経常黒字となるのが確実な状況だ。

 また韓国企業の負債比率は96%で、これもほかの先進国よりも低い。韓国企業は半導体・携帯電話・鉄鋼・造船などの分野で世界の市場を掌握している。世界のどこにでも通用する商品・ブランド力・企業はほかの新興国では見られない韓国経済の強みだ。通貨危機を経験してからの韓国経済の体質と体力がそれだけ大きく変化したということだ。

 実際にはこのような状況であるのに、海外からは韓国に対する極端な悲観論が絶えない。これも政府の無能さに起因しているのではないか、とわれわれも自ら振り返る必要があるだろう。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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