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【社説】これが韓国経済に対する誤解だ(上)

 米国から始まった金融危機の影響が欧州を経て新興市場へと移り、韓国経済に対する海外からの見方もさらに厳しさを増している。韓国の5年満期外国為替平衡債権のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムは、今年9月末時点の1.8%から今月24日には6.84%へと4倍近くに跳ね上がった。CDSプレミアムは国家破たんの可能性を示す指標とされており、韓国の場合、信用等級が韓国に比べ低いチェコ(2.25%)、マレーシア(4.95%)、チリ(3.15%)などよりも高くなっている。

 今年ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏は27日、ニューヨーク・タイムズのコラムを通じ、「世界的な金融危機で表面化した数々の問題の中で、最も衝撃的な事実は韓国・ロシア・ブラジルなどの新興市場へと危機が飛び火しているということだ」と指摘した。英国のザ・タイムズも最近、「韓国は事実上、アジア経済におけるベアースターンズだとする見方もある」と報じた。ベアースターンズは今年3月にサブプライム問題で破たんの危機にひんし、結果的にJPモルガンに吸収併合された投資銀行だ。このように最近の海外のマスコミは、新興市場における問題を取り上げるたびに、韓国に対する言及を絶対に忘れないといってもいいほどだ。

 海外のマスコミによるこのような見方には、情報の不足や誤解が大きく作用している。その代表的な例が、今後1年以内に満期が訪れる1760億ドル(約17兆2000億円)規模の短期外債問題だ。海外のマスコミはこれについて、韓国銀行が過去のアジア通貨危機の教訓を忘れ、むやみに海外から借金を重ねて資金を調達した事例として取り上げている。その結果、韓国の外貨準備が一気に枯渇する可能性があるかのように報じているのだ。

 しかしこれは事実とはまったく異なっている。短期外債の中には造船メーカーが船舶代金を受け取れば自動的に解消される借入金も含まれており、また外資系銀行の韓国支店が本店から借り入れた資金も含まれている。これらを差し引けば、実際に韓国の銀行が返済しなければならない短期外債はおよそ800億ドル(約7兆8000億円)だ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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