ことし三月にインターネット上に流出した日銀松江支店の内部資料で「破たん懸念先」とされた松江市の酒店が、松江地裁に破産を申し立て、手続き開始が決定されたことが三十日、分かった。負債総額は一億七千万円という。
酒店は「卸元会社に取引量を制限され、保証金を求められ、資金繰りが悪化した。情報流出による風評被害だ」と主張して日銀側と補償交渉を継続中。酒店の代理人は「交渉がまとまらなければ提訴も検討する」と話している。
日銀松江支店は「コメントできない。関係者に多大な迷惑をおかけしておわび申し上げたい」としている。
資料は三月下旬、ファイル交換ソフト「ウィニー」をインストールした男性行員=処分後に退職=の私物パソコンを介して流出。金融機関が作成した数社の決算見込みが含まれ、「要注意先」や「要管理先」から「破たん懸念先にランクダウン」と記されていた。
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