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70歳、克美しげる贖罪の日々…現役歌手の殺人事件

高須基仁「人たらしの極意」

モッツ出版設立15周年記念パーティー(クリック拡大)

 「歌手、克美しげる」を知っていますか?

 1976年5月9日、今から約30年前のことだ。前代未聞の現役歌手による殺人事件を各マスコミは大きく取り上げた。

 「歌手、克美しげる(38)が、愛人のH子さん(35)の殺害容疑で5月8日に逮捕された。克美は銀座ホステスをしていたH子さんをソープランドで働かせ、貢がせていたが、カムバックのじゃまになり、殺害した…」

 現在、克美は70歳になり、4人目の妻である、32歳も年が離れた夫人、礼子さんの実家がある群馬県館林市に住む。

 テレビアニメ「エイトマン」の大ファンの私は、数年前から克美及び、漫画の原作者のひとりである桑田次郎と親交を温めてきた。

 克美も桑田も、すねにキズを持ち、世をはばかるように東京を離れ、地方で密かに生きている。

 克美は約10年前に脳梗塞を患い、顔面まひと軽い言語障害に苦しんでいた。

 その上、2006年1月、大動脈解離を発症し、10日間ほど意識不明が続き、生死をさまよった。

 その時、「いよいよ終わりだな。これで私が死ねば、少しだけ罪滅ぼしになるか」と覚悟したが、彼は生還した。

 支え続ける夫人と結婚生活は十数年目を迎えるが、常に克美を叱咤激励し続けている。

 「私が56歳、彼女が24歳で結婚した。どうしようもない男とどうして…」と迷ったが、長く同じ家に暮らし、今は“戦友だ…”と言い切った。絆は強い!!

 私は漫画家、桑田次郎の紹介で克美と再会したが、病後の体を押して2007年秋、東京・南千住の名物居酒屋「大坪屋」で開催した出版パーティーに現れ、私の用意したハンドマイクで、名曲「さすらい」と「エイトマン」を歌った。

 その後、新宿ロフトプラスワンのイベントにもゲストとして呼び、再び2曲歌った。今年1月23日の私の経営するモッツ出版の、故・三浦和義も参加した設立15周年記念パーティーに顔を出し、舞台に上った=写真

 殺人の科で8年の獄中生活、その後覚醒剤で再び服役後、彼はしみじみと私に語った。

 「刑務所に入ると、早く娑婆に出たいと思いますが、娑婆に出ると本当に厳しい…」

 それもそのはずだ。仏教用語の娑婆は、とても厳しい場所を指すのだから。

 2年前の11月、克美が歌うはずだった「おもいやり」(カムバック曲だった)を代わりに歌った黒木憲が逝った…。

 克美は黒木の志を胸に館林市内の小さなスナックで、毎夜「さすらい」「エイトマン」「おもいやり」をカラオケで歌って生計を立てている。

 今年12月7日(日)初めて、館林の公の会場「三の丸芸術ホール」でコンサートを開くことが決まった。

 「高須さん、参加してよ…」と電話が入ったのは昨晩だ。

 私は間髪を入れず、「桑田と一緒にゲストとしていくよ。ステージで公開トークをしよう」と答えた。70歳の克美しげるは、北関東の片隅でヒッソリと息をしている。(出版プロデューサー)

 ■高須基仁の“百花繚乱”独り言(http://plaza.rakuten.co.jp/takasumotoji)

ZAKZAK 2008/10/30

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