広島放送局

2008年10月30日 12時22分更新

「診療ノート」で妊婦情報共有


産婦人科の医師不足が深刻になるなか、広島県の呉市医師会は、妊娠中の女性に対する医療態勢を充実させるために、広島県内では初めてお産前の母子の健康状態などを記録した独自の「診療ノート」を配布することになりました。

妊娠中の女性や胎児の健康状態を把握するため、市町村は「母子健康手帳」を配布して、妊婦検診の際に、体重や血圧などの健康状態を記入してもらっています。
こうしたなか、呉市医師会は医師の間でより詳しい情報を共有するため「母子健康手帳」とは別に、独自の「診療ノート」を配布することになりました。
「診療ノート」には、超音波で調べた妊娠中の女性や胎児の状況を詳しく記入するほか、肝炎などのウイルス感染の有無や血糖値の検査などの検査も行って記入することにしています。
呉市医師会では共通の「診療ノート」を配布することで、妊娠中の女性がかかりつけの病院以外で緊急に受診する場合や、呉市内の開業医と拠点病院の医師が連携を図る場合に、情報のやりとりがスムーズになり、産婦人科医の医師の負担の軽減や妊娠中の女性に対する医療態勢の充実につながるとしています。
広島県によりますと、こうした独自の「診療ノート」を配布するのは、県内では初めてだということです。
呉市医師会では、今年度中に「診療ノート」の配布を始めることにしています。