県が9月に運航を正式決定したドクターヘリについて、八戸市は29日、同市議会民生協議会で、ヘリの暫定基地病院となる八戸市民病院のヘリポートと格納庫の完成時期が2009年3月になるとの見通しを示した。県が目指してきた同年1月の運航開始は不可能な状況で、同市は「工期短縮がどれだけ可能かさらに検討する」としている。
 八戸市民病院事務局によると、県の運航決定を見据え、8月からヘリポートや格納庫の設計に着手していたが、格納庫の構造計算などに時間を要し、整備事業の内容が固まったのが今月17日。同事務局は「当初から1月の運航開始は厳しいとみていたが、設計に予想以上に日数を要した」と述べた。
 ヘリポート・格納庫等工事請負費は計1億651万2千円。市は備品購入費640万円と合わせて今年度一般会計補正予算案に盛り込み、31日の市議会臨時会に諮る。財源内訳は県補助金3100万円、市債5660万円、一般財源2531万2千円。予算案が可決された場合、11月下旬に入札を行う予定。
 同事務局では、格納庫の工期は面積(286平方メートル)から判断して四カ月程度、ヘリポート(272平方メートル)は50日以内とみており、「今後受注業者が決まれば、工期の短縮可能か折衝する」と述べた。
 ヘリポート・格納庫等工事請負費の規模は県の見積もり(6200万円)を大幅に上回った。同事務局は「格納庫の耐震性や消火設備を考慮した結果」と説明した。
 09年1月の運航開始がほぼ不可能な見通しにあることについて県医療薬務課は「工期の事情であれば仕方ないが、できるだけ急いでほしい」とした。