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大学4年生の就職内定「取り消し」相次ぐ、金融危機で(2/3ページ)

2008年10月29日

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写真就職セミナーを受ける学生たち。就職戦線はにわかに厳しさを増してきた=28日午後、大阪府内の私立大学、高橋一徳撮影

 広島国際大学キャリアセンター(広島県東広島市)は今月下旬、4年生の学生数人から「建築サービス業の会社から業績悪化を理由に内定取り消しを受けた」という相談を受けた。高知工科大(高知県香美市)では27日に東北地方のアミューズメント関連企業から学生1人の内定取り消しを伝える文書が届き、愛媛大学でも4年生の女子学生1人が今月中旬、中国地方の不動産会社から、業績悪化を理由に内定を取り消された。

 内定取り消しは高校生にも広がっている。ハローワーク高松(高松市)などによると、香川県では先週、県立高校と私立高校の男子生徒計2人が取り消された。ともに県内の同じ家具製造会社に内定を得ていたが、先週、「急激な経営悪化」を理由に連絡を受けたという。

     ◇

 求人にも影響が出始めている。鳥取県立鳥取工業高校では今月、求人票を出していた県内の中堅の製造業者に3年の生徒が応募したところ、「米国の景気低迷で先行きが不透明なため求人を控えたい」と断られた。同校の上原正樹・進路指導主事は「一度、求人票を出した会社が取りやめるなんて初めてのことで驚いた。その後も何社か取り下げが出ている」と話す。

 大阪府でも9月以降、「経済状況が変わったので採用できない」と、来春に卒業する高校生の求人を取り消す企業が約10社も出ている。「例年ならせいぜい1、2社。このまま景気が悪化し、内定取り消しまで起きたら大変なことになる」と府教委の担当者は気をもむ。

 徳島県のある県立高校の教頭は「幸い9月中旬から10月初めに多くの生徒の就職が決まった。金融危機が1カ月早かったら、危なかった」。同県の別の高校の進路指導担当者は「生徒が卒業する3月までに『雇えません』と言う企業が出てこないか心配だ」と案じていた。

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