携帯で救急医療の効率化目指す
情報通信技術を活用した救急医療の効率化を目指し、総務省消防庁は10月29日、「救急業務におけるICTの活用に関する検討会」(座長=稲葉英夫・金沢大大学院教授)の初会合を開いた。この中で、同庁は11月から、石川県で救急医療の新しい情報伝達システムの実証検証を行うことを説明した。検討会では、システムを全国的に導入すべきかどうかについて議論し、実証検証の結果を踏まえ、年度内に最終報告書をまとめる予定だ。
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ICTとは「Information and Communication Technology」の略で、一般的に情報と通信の技術の総称を意味する。
実証検証では、金沢市消防局、小松市消防本部、津幡町消防本部、白山石川広域消防本部、かほく市消防本部の石川県内5消防機関の管内をモデル地区に定め、対象は心肺機能停止(CPA)、脳疾患、心疾患、重症外傷などの搬送患者とした。期間は11月1日−来年1月15日。
各地区の計6台の救急車にビデオカメラや画像伝送装置などを設置し、救命救急センター医師の携帯電話に車内から患者の様子を動画で送る。医師は、車内の心電図モニターの映像をそのまま見ることができるほか、電話でカメラを遠隔操作することもできる。レンズは、最大12倍までズーム撮影できるため、患者の容体をより正確に把握することが可能だ。 救急隊に対しては▽傷病者の容体がより正確に伝わったか▽医師からの指示、指導、助言を的確に受けることができたか―など4項目、医師に対しては▽傷病者の容体を正確に把握できたか▽傷病者の容体変化が迅速に把握できたか―といった4項目について意見を求める。
同システムでは救急車内の救急隊の作業負担がないため、円滑なデータ収集が期待される。
初会合では、実際に救急車内に設置する機器を使ったデモンストレーションが行われ、委員からは「もう少し画面が大きくならないか」「カメラの操作が難しいのでは」などの指摘があった。
次回の会合は来年2月に開かれる予定で、実証検証のデータを踏まえ、システムの全国的な導入の是非について議論する。第2回会合後に最終報告書をまとめ、全国の消防本部などに示す予定だ。
更新:2008/10/29 21:28 キャリアブレイン
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