富山地検は28日、のどを切開して装着していた呼吸器具の交換ミスで女性入院患者(当時85歳)を死亡させたとして、富山区検が24日、富山市民病院の男性担当医師(29)=当時=を業務上過失致死罪で富山簡裁に略式起訴したと発表した。簡裁は罰金50万円の略式命令を下し、医師は即日納付した。
起訴状などによると、医師は非外傷性急性硬膜下血腫で入院し、緊急手術後も意識不明となっていた女性患者を担当。女性はのどを切開し呼吸器具「気管カニューレ」を装着していたが、昨年5月、器具交換の際に誤って気管を突き破って装着し、さらに、交換の際に行うべき確認作業を怠った。患者は気道をふさがれ、窒息死した。
県警は業務上過失致死容疑でこの医師を書類送検。地検は遺族と示談が成立していることなどから、略式起訴が相当と判断した。【蒔田備憲】
毎日新聞 2008年10月29日 地方版