東京都立墨東病院などで受け入れを拒否された妊婦が死亡した問題を受け、県は28日、「県内では同様の事態が発生することはない」との認識を示した。県立病院(福井市四ツ井2)で産婦人科と小児科の医師計2人が平日、休日を問わず当直しており、他の5病院が県立病院の機能を補完しているため。県健康増進課の一戸和成課長が会見で明らかにした。
同課によると、県立病院は妊婦と新生児専用の集中治療室などを備え、「総合周産期母子医療センター」に指定されている。一戸課長は「常に医師がいるセンターは最後の砦(とりで)だ。今後は、県内各病院のパソコンから受け入れが可能かどうか照会できるネットワークを構築したい」と述べた。
一方、西川一誠知事もこの日の会見で、網膜はく離の手術が必要な生後3カ月の乳児を先月4日、防災ヘリで福井大病院から大阪大病院に搬送したケースを紹介。西川知事は「県内で対応できない場合に備え、県外の医療機関との連携システムを作っている」と話した。【大久保陽一】
毎日新聞 2008年10月29日 地方版