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OpenStandia お客様視点のサービスを追求するセブンドリーム・ドットコム 「OpenStandia」を活用し柔軟なECシステム基盤を再構築 第1話 再構築プロジェクトが始動
株式会社セブンドリーム・ドットコム(以下セブンドリーム・ドットコム)は、2005年11月、「安心、安全、便利」を実現するサービスの向上を目指して、それまで稼動していたEC(電子商取引)システムの再構築を行いました。NRIのオープンソース基盤「OpenStandia」を活用して進められたこの再構築プロジェクトを振り返りながら、お客様に支持されるサービスを柔軟に提供するシステムに必要な条件とは何か、その秘訣を探ります。
お客様の視点から「安心、安全、便利」を実現するシステム基盤を構築
セブンドリーム・ドットコム 取締役 業務推進部長 早川忠雄氏
セブンドリーム・ドットコム
取締役 業務推進部長
早川 忠雄氏

 セブンドリーム・ドットコムは、2000年7月1日にインターネットサイトを開設して以来、様々な商品・サービスを提供しています。最初のシステム構築から5年が経過し、見直しの時期を迎えた2005年、抜本的なシステム基盤の再構築プロジェクトに着手しました。
 プロジェクトの責任者であるセブンドリーム・ドットコムの早川忠雄氏は、再構築の背景を次のように語ります。「セブン-イレブンで商品を受け取れば送料・手数料が無料。セブンドリーム・ドットコムは、安心・安全・便利なショッピングサイトとして、インターネットサイトの開設当初から、常にお客様の視点に立ったより良いサービスの提供を目指してきました。昨今は、ブロードバンドや携帯電話向けサイトの普及など、お客様がインターネットショッピングを利用される環境は、大きく変化しています。それに伴って、サイトを訪れるお客様も多様化し、求められるコンテンツの質が変化したことなど、我々のビジネスを取り巻く環境も大きく変化してきました。そこで、ECシステムを基盤から再構築し、さらにお客様に支持されるサービスを提供したいと考えました」
 新しいシステムでは、コンテンツ量の増加などによって将来懸念されるシステムリソース不足を解消し、大量のアクセス集中にも耐え得る堅牢なシステム基盤を構築することが求められました。また、複雑に混在するアーキテクチャを統合し、お客様にとって「安心、安全、便利」なサービスを提供するには、さらに何が要件として必要なのか検討が進められました。


お客様のニーズにきめこまかく対応できる柔軟性を兼ね備えたシステムとは
セブンドリーム・ドットコム 業務推進部 マネジャー 木原浩明氏
セブンドリーム・ドットコム
業務推進部 マネジャー
木原 浩明氏

  セブンドリーム・ドットコムにとって、新しいシステムに求める最も重要なポイントは、必要に応じて新しいサービスを組み込める柔軟性です。
 「お客様の要望が日々変化し、スピードが勝負の流通業では、価格だけでなくリードタイムの短縮など、常に新しくより良いサービスの提供を目指すことが欠かせません」と語るのは、システム基盤再構築のプロジェクト管理を務めたセブンドリーム・ドットコムの木原浩明氏。「人気商品を臨機応変に提供するには、突然のアクセス集中にも耐え得る処理能力と堅牢さも必要です。また、お客様が安心してインターネットショッピングができるようセキュリティを確保するというのは、もはやECサイトの大前提です」(木原氏)。
 サイト上での使いやすさや購入のしやすさも、もちろん重視されています。使いやすさを追求するため、様々な年代のモニターに実際に買い物をしてもらうなど、ユーザビリティの調査がプロジェクトのメンバー総出で繰り返し行われました。その結果、探している商品がすぐ見つかり、初めてのお客様でもスムーズに商品が購入できるよう、画面のデザインは細部までこだわってデザインされています。検索機能についても精度を高め、お客様のニーズに対してきめ細かく対応できるよう工夫されています。
 「ユーザーインターフェースやユーザビリティなどは、消費者向けのサイトとしておろそかにはできません。今回、プロジェクト内部での検討に加え、実際にユーザビリティをチェックするため、外部のモニターを起用したテストなどを繰り返し行うことで、アクセスログの解析だけでは把握できない問題を顕在化させ、ガイドライン作りに役立てました」(木原氏)。
 「導入した検索エンジンは、さらに使いやすくなるようにチューニングしながら、絶えずブラッシュアップを続けています。システムは“生みの苦しみ”以上に“育ての苦しみ”があると考えています。こうした地道な改善が実り、とりわけ携帯サイトでは取扱商品数の増加と検索などの利便性向上もあって、アクセス、売上とも伸ばすことができました」(早川氏)。
 さらに、運用コストやメンテナンス業務を極力削減し、シンプルで低コスト運用が可能なシステムが実現しました。
 「システムの再構築前は、コンテンツの改廃のために、10人前後の制作スタッフが夜遅くまで作業する毎日が続いていました。しかし、再構築にあたりコンテンツ管理システム(CMS)を導入しました。商品情報の登録、編集の自動化が進み、その結果、作業を大幅に効率化できるようになりました。現在では、スタッフは以前の約半数で運営しています。また、単純な作業にかかる時間も短縮できたため、仕事の仕方を変え、本来注力すべき業務に時間をかけることができた点も大きな成果だと思います」(木原氏)。


ブランド力を最大限活用し、あるべきサービスの姿を具現化するECプラットフォーム
 今回のシステム再構築は、セブンドリーム・ドットコムがビジョンを示し、NRIが具現化を支援するという協業プロセスによって実現しました。
 「セブンドリーム・ドットコムは、サービスのあるべき姿を提示し、現状とのギャップを徐々に埋めていくのがミッションです。NRIの皆さんとは、要件定義からシステムのインプリメントに至るまで、プロジェクトを通じて問題意識を共有してきました。企業の壁を超えて一緒にプロジェクトを推し進め、相互に現場力を身に付けることで、共に達成感を得られる関係を継続していきたいと思っています。また、私たちが打ち勝つべきは、競合他社だけではありません。まず何よりも私どものサービスが、現時点でお客様のニーズにきちんと応えられているのかが問題です。もっと良いサービスをどうしたら提供できるのか、改善すべき点は何かなどを自問しながら、顧客満足では他社より常に一歩先を行く企業でありたいと考えています。今後は、セブン-イレブン・ジャパンのブランド、さらにグループ全体のシナジーを活用したECプラットフォームの実現を目指し、安心・安全・便利な物販やサービスサイトを提供していきたいと思っています」(早川氏)。

 次の第2話では、提示されたビジョンを具現化するために、オープンソース基盤「OpenStandia」を使ってシステム基盤はどのように構築されたのか、NRIの担当者が再構築プロジェクトでの取り組みについて語ります。

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※本文中の組織名、職名は公開当時のものです (2006/06/12公開)
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