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月刊チャージャー3月号
【調査】まずは疑って係!/“レンタルお姉さん”に聞いてみました
引きこもりの家へ通う“レンタルお姉さん”って何? |
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| ニートや引きこもりに悩む家族の求めに応じて、その家庭に乗り込み、引きこもりからの脱出を手助けする。それが“レンタルお姉さん”の仕事だという。でも、毎日けなげに働くサラリーマンにしてみれば、引きこもりなんて「ただの甘えだぁ」とも感じる。はたして、そこで何が起きているのか。レンタルお姉さんを直撃してみた。 |
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平野敦子さん
NPO法人ニュースタート事務局のレンタルお姉さん事業本部で活動するレンタルお姉さん。忙しすぎる仕事に追われる生活に疑問をもち、レンタルお姉さんになることを決意した。 |
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“レンタルお姉さん”という言葉を初めて聞いた時、正直、新手の風俗? と思ってしまった。でも、その真相は、引きこもりに悩む家族の要請で家庭に乗り込み、引きこもり野郎を社会に引っ張り出す新しい〈仕事〉なのだと知った。ちなみに、お姉さんだけじゃなく、レンタルお兄さんもいるらしい。
レンタルお姉さんを派遣しているのは、千葉県に本部がある『ニュースタート事務局』というNPO法人だ。もともとは学習塾を経営していた代表者が、イタリア・トスカーナ地方の農園で、複数の家族が共同生活をしながら子育てしていることに感銘を受け、日本の若者をその農園に派遣するプロジェクトから活動がスタートしたという。活動がスタートしておよそ15年。今では、関西にも支部があり、20名以上のレンタルお姉さんやお兄さんが活躍している。
千葉県市川市の行徳駅近くにある、ニュースタート事務局の拠点を訪ねてみた。話を聞かせてくれたのは、レンタルお姉さんになって2年半ほどという平野敦子さんだ。レンタルお姉さんになる前は「普通の会社でOLをしていた」という平野さん。「働いていた会社が忙しすぎて、人生の流れを変えるなら今かな、と感じて会社を辞めました。その後、たまたまニュースタート事務局が運営しているパソコン教室に通って、レンタルお姉さんという仕事を知ったんです。興味をもっていろんな活動に参加しているうちに、私もレンタルお姉さんになりたいと思ったんですよね」と、レンタルお姉さんの道に飛び込んだ。
レンタルお姉さんは定期的に募集や採用試験が実施されているわけではない。なりたい人は事務局に連絡し、代表者と面談をして、何をやりたいかという〈提案書〉を出して自分の意欲や思いを伝える。その後、まずは見習い的に先輩の現場に同行し、3ヶ月から半年の研修期間を経て〈担当〉を与えられるようになるという。引きこもりを救い出すためのマニュアルなんて存在しない。レンタルお姉さんの仕事は、習うのではなく、感じることが必要なのだ。 |
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