東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

海賊版OS対策で波紋 中国弁護士が告発

2008年10月29日 朝刊

 【北京=池田実】マイクロソフト(MS)が中国で講じたコンピューターソフトの海賊版対策について、ネット上で「プライバシー侵害だ」などの声が上がり、波紋が広がっている。

 同社は十月下旬から、不正にコピーしたウィンドウズXPなどを使うと一時間おきに壁紙を黒くし、画面に「あなたは海賊版ソフトの被害者です」と表示されるようにした。中国紙などによると、こうした措置に対し北京の弁護士は「ユーザーの許可を得ずに勝手にパソコンに侵入している」などと刑事処分を求めて告発。「支配的地位の乱用だ」として、同社に独禁法違反で十億ドルの罰金を科すよう国へ要請もした。また「個人の財産を侵害している」として、即時停止を求め提訴したユーザーもいる。

 中国国家版権局の幹部は、同社ソフトが世界統一価格で「新興国や途上国の収入を考慮していない」と指摘。ユーザーが受け入れられる価格水準にするよう提起している。

 マイクロソフト側はこうした不満に、プライバシーを侵すことはなく、正規版を使用するかどうかはユーザーの自由で、画面が黒くなってもパソコンに影響はないなどとしている。

 

この記事を印刷する