伊藤ハム東京工場(千葉県柏市)の製品加工過程で使った地下水から基準値を超えるシアン化合物が検出された問題で、柏市保健所は27日、地下水から基準値(1リットル当たり0・6ミリグラム)の約2倍に当たる1・1ミリグラムの塩素酸を検出したと発表した。
発表によると、24日に3本ある工場の井戸水を県衛生研究所に委託して調べた。基準値を超える塩素酸が検出されたのは「3号井戸」の原水を次亜塩素酸ナトリウムで消毒した後の浄水。保健所に対し伊藤ハムは「次亜塩素酸ナトリウムはタンクにつぎ足して井戸水に混ぜて消毒していた」と説明。保健所は「古くなった次亜塩素酸ナトリウムが分解し、塩素酸が生成された可能性がある」とみているが「人体に影響を与えるレベルではない」としている。【橋本利昭】
伊藤ハムは27日、午後5時までに消費者から計4020件の問い合わせがあったと発表した。健康不安を訴えたり、同社を批判する内容が大半だったという。
伊藤ハム広報・IR部によると、内訳は電話2750件、電子メール1270件。電話が通じにくいとの苦情もあり、28日以降、電話回線をさらに増設する。【高橋昌紀】
毎日新聞 2008年10月28日 東京朝刊