農業用水で手軽に発電 超小型、来年にも販売
2008年10月29日 07:36
魚津市道坂の北陸精機(谷口貞夫社長)は、小水力発電用のマイクロ水路発電機の商品化を目指し、同社近くの北陸電力片貝谷発電所放水路で実用実験を始めた。小水力発電は地球温暖化防止の新エネルギーの一つとして注目を集めており、同社は早ければ来年にも生産態勢を整え販売に乗り出す。
北陸精機は五年前から県立大短期大学部環境システム工学科と共同で、オリジナルのマイクロ水路発電機の開発に取り組んできた。今年三月に敷地内で行った実験で、発電性能の基準となる、水の落下エネルギーの75パーセントを電気エネルギーに変えることができ、実用化にめどが立った。
発電機は垂直型で、流れ落ちる水が円筒の中のらせん状の羽根を回転させ発電する。毎秒〇・二トン以上の流量で落差一−五メートルを想定しており、農業用水など低流量、低落差の場所に設置できる。
放水路での実験は三カ年計画で行い、今回は来年三月まで、発電機の摩耗しやすい個所や安全性を確認するとともに、製品のコストダウンを図る。実験には三K(キロワット)型を用いており、製品は五K型、七・五K型、一一K型を加えた四タイプをそろえる。
同社の発電機は特許出願中で、今年四月末に「パワーアルキメデス」として商標登録した。
今年改正された新エネルギー利用促進法(新エネ法)施行令で、千キロワット以下の小水力発電が新エネルギーに加わった。県内では、今年四月に立山町で県営の小水力発電所の建設が始まるなど導入の動きが加速している。
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