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市立病院の将来像 阪南新市長の福山氏

2008年10月28日

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初当選から一夜が明け、抱負を語る福山敏博氏=阪南市役所

 26日投開票の阪南市長選で初当選した前副市長の福山敏博氏(58)は27日、敗れた岩室敏和・現市長が市立病院の医師確保のために導入した高額な給与や、現在の診療態勢を再検討する考えを示した。一方、前副市長と現市長の争いに対する有権者の関心は低く「岩室市長のトップダウンの政治姿勢が勝敗を左右した」と分析する声も聞かれた。

 ■「公設民営化も」

 福山氏は初当選から一夜明け、市役所で報道陣の取材に応じた。最大の懸案の医師確保について、和歌山医大など従来つながりのある大学病院との連携を強め、「安定した医師招聘(しょうへい)のルートを確保する」と明言した。岩室市長が導入した医師給与の歩合制は見直すという。

 病院の規模や診療態勢については「現在のベッド数185床で採算がとれるのか」と疑問を示した。近隣公立病院との機能分担、開業医との連携など「府の医療計画の指針に合致する方向で早急に対応していく」と語った。指定管理者制度などの導入による公設民営化を検討するとした。

 また、04年に構想が白紙に戻った、泉佐野市以南の5市町による合併をもう一度検討する意向も示した。

 福山氏の勝因については、病院問題よりも岩室市長のトップダウン方式の市政運営に対する反発を挙げる声が多い。ある市議は「今回の選挙を現市長が『信任投票』と言うなど、おごりがあった」と指摘した。福山陣営についたある市議は、05年度から幹部級の職員が府から派遣されていないことを挙げて、岩室市長の意向で「国や府とのパイプが切れた」と批判した。

 医師不足で1年余り休止していた内科が9月から再開した市立病院の利用者からは、不安の声が聞かれた。20年ほど通っているという市内の女性(82)は「最近は医者が増えてきて大丈夫、と喜んでいたのでなくなると困る」と話した。

 選挙戦では、両候補とも病院存続という大枠では同じで、その違いは必ずしも有権者の関心を呼ばなかった。利用者の男性(80)は「医師不足はここだけの問題ではない。設備や態勢が悪いなりにでも残してほしいが、持続できるかどうかが最大の問題」と心配していた。

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