外国人投資家、取引終了間際に売り攻勢
今月27日、午後2時50分。取引終了までわずか10分を残したこの時点で、韓国総合株価指数(KOSPI)は前日比マイナスだった。この日も値を下げたまま終わると思われたが、突然大量の買い注文が入り、下向きだった値動きを示すグラフが突然上を向いた。結局、0.82ポイントの小幅上昇で取引を終えた。
国民年金・私学年金・軍人共済会などの年金基金はこの日、取引終了直前の買い注文2700億ウォン(約180億円)を含む、総額5397億ウォン(約366億円)の買い越しを記録した。すると外国人は逆に動いた。取引の後半に行われた1000億ウォン(約68億円)の売り注文を含め、総額3186億ウォン(約216億円)の売り越しを記録したのだ。
この日も外国人は売り越し総額2821億ウォン(約190億円)の27%に当たる760億ウォン(約51億円)を取引終了後の時間外取引で売り払った。一方の年金基金は、この日の買い越し総額1642億ウォン(約111億円)の48%を午前11時から午後2時の間に取引した。
このパターンは市場が本格的な下げに転じた今年9月初めごろから目についてきた。そのころからこの日まで取引が行われた40日の中で、年金基金は37日間に総額5.2兆ウォン(約3500億円)を買い越したが、外国人は32日間で総額7.6兆ウォン(約5100億円)を売り越した。年金基金が株価を支えると、外国人が取引終了直前や取引終了後に株を売却し、差額を懐に入れたり損失を補てんしたりしていたことになる。
そのため市場関係者の間では、「株を売って韓国から脱出しようとする外国人にファーストクラスのチケットを持たせているのか」という皮肉が出るほどだ。ある証券アナリストは「以前は午前中から売りを浴びせていた外国人が、最近は午後になるまで模様眺めをし、年金基金が株価を引き上げてから一斉に売り注文を出している」と述べた。「株価がさらに下落する可能性があるのに、年金基金はあまりにも安易に市場に参入しているのではないか」との指摘もある。
この問題について国民年金公団基金運用本部のキム・ムンス氏は、「株価が十分に値を下げたと自分たちが判断し、買い注文を入れている」と述べた。買い手が見当たらない韓国市場では、年金基金が果たしている株価安定の役割も必要との見解もある。
しかし、年金基金の行き過ぎた市場への安易な参入は自制すべきとの指摘もある。ある証券会社のリサーチセンター責任者は「値を下げていた銘柄を一気にストップ高にまで持っていくような手法では、外国人に手の内を明かす結果になる。市場に大きな影響を及ぼさない範囲内で買い注文を入れる姿勢も必要だ」述べた。
崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者
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