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　警視庁麻布署は２８日までに、動画投稿サイト上に、同サイト運営会社のイベントを妨害する動画を送ったとして、威力業務妨害の疑いで東京都国立市、スナック経営佐野智則容疑者（３９）を逮捕した。同容疑者は上半身裸で、自分の顔を出して出刃包丁を振りかざし「ぶっ刺す」「ぶっ殺す」などとイベントでの無差別殺人を予告。サイト上で、ほかの会員とけんかになったことがきっかけで暴走したとみられる。ネット上では「ウナちゃんマン」と名乗り、ごく一部で“有名人”だった。

　調べでは、佐野容疑者は自宅内で上半身裸になって出刃包丁を振りかざし「今度のイベントも、これ（包丁）持っていくからよろしく。グズグズ言うヤツはぶっ刺すから。腹くくって言えよ。お前らこの野郎。ほんとにぶっ殺すからな。やるよ、ほんとに。グズグズ言うヤツはだれ彼かまわずぶっ刺してやるからよう」などと叫ぶ姿を自身のビデオで撮影。

　９月１３日夜、自宅から動画投稿サイト「スティッカム」にこの動画をアップし、同月２２日に東京・六本木のホールで５０～１００人程度が集まって開催予定だった、運営会社による同サイト２周年記念イベントを中止に追い込んだ疑い。佐野容疑者は容疑を認め「まずいことだと思ったが、やりすぎてしまった」などと供述しているという。

　動画で佐野容疑者が脅迫的メッセージを話している部分は３分前後で、自宅のパソコンの前に座って、右手で出刃包丁を持ち、顔の横に時折かざしていた。左手で時折缶入り飲料を飲み、しばらくすると出刃包丁を置き、右手でたばこを持ち吸っていた。頭にはニットキャップのようなものをかぶっていた。

　麻布署によると、スティッカム上で、ほかの会員とチャットをしているうちに、このイベントについてけんかになったのがきっかけという。さらに別の会員が「これで終わりか」「イベントに来たらみんなでボコボコにしちゃうぞ」などとけんかをあおったためキレ、“無差別包丁殺人”予告に出たとみられる。

　佐野容疑者は同サイト上などで「ウナちゃんマン」と名乗り、帽子をとって髪が薄くなった頭部を公開したり、上半身裸で妙な踊りをした動画を投稿するなどし、一部で知られた存在だった。今回も９月１３日の動画投稿後、ネット上でその内容が問題視されていた。

　佐野容疑者はスナックを経営しており、家族もいる。スティッカムは、会員数約８万人で、録画だけでなく、生の動画を配信できることが特徴。運営会社によると、イベントはネット関連の各界の専門家らが集まりセミナー的に開催される予定だった。

　［2008年10月29日9時30分　紙面から］

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