計画が明らかになって1年10か月・・・。賛否で揺れた中国木材の日向進出問題が、実現に向け、大きな一歩を踏み出しました。国内有数の製材大手、「中国木材」と県内の林業団体が、28日、日向進出の覚書を締結しました。この問題は、広島県呉市に本社がある「中国木材」が、日向市細島の工業団地に工場を建設し、年間30万立法メートルの、原木を集めることを計画しているものです。計画に対し、地元製材業者は、原木の調達が困難になるなどとして、当初、反対を表明。一方、生産者は、木材価格の適正化などを理由に、計画を支持するなど、林業関係者の間で、賛否が分かれていました。しかし、林業団体が協議を重ねた結果、木材を取り巻く環境が厳しいことから、条件付きながらも、「中国木材」の進出を容認する運びとなりました。(片野坂記者レポート)「計画が持ち上がってから、およそ1年10か月。紆余曲折を経て、いよいよ調印式が行われます」28日は、宮崎市で調印式が行われ、河野俊嗣副知事の立会いのもと、県内の3つの林業団体の代表と、中国木材の堀川保幸社長が、覚書を交わしました。(県木連・横田欽一郎会長)「中国木材には、県内の同じ製材業界の一員として、私たちと一緒になって、共存共栄で、宮崎の林業、木材産業を盛り上げていってもらいたい」今回締結した覚書は、11項目からなっていて、中国木材は、林業団体が設置する協議会を通じて、原木の買い取りや、価格の交渉を行うなど、「連携と協調」を意識した内容となっています。また、工場内には、県内の業者から買い入れた原木を、集荷、選別するための施設を設置することや、年間30万立法メートルの原木のうち、県内分は、13万5千立方メートルにとどめることなどが、盛り込まれています。(中国木材・堀川保幸社長)「やはり業界の方たちと一体となってやるという点で、素晴らしいまとめ(覚書)になってると思う」紆余曲折を経て、ついに動き出した、中国木材の日向市進出計画。共存共栄を図りながら、県内の林業をどう活性化していくのか、今後の取り組みに注目が集まっています。
中国木材が進出する日向市では、期待と不安、双方の声が広がっています。覚書締結に対する地元関係者の反応を取材しました。(西記者リポート)「私の後ろに見えるのが、中国木材の進出予定地です。今後、進出に向けた動きが加速していく中、地元の反応は様々です」中国木材は、日向市細島にある「細島1区工業団地」に、進出する計画です。日向市など、5つの市町村を流れる耳川流域は、森林面積が、県内の約3割にあたる14万7千ヘクタールあり、森林資源の豊富さや、国際貿易港である細島港の存在などが、中国木材進出の背景となっています。しかし、地元、耳川流域の林業関係者には、期待と不安、双方の声が広がっています。このうち、木材の生産者は、後継者不足や山の荒廃が深刻化しているとして、当初から中国木材の進出に賛成、木材価格の上昇に期待を寄せています。【生産者】(日向入郷地区素材生産事業協同組合・中田繕明理事長)「雇用の問題、後継者の問題、こういうものは、やはり大きい経済効果があると思う」これに対し、製材業者は、中国木材が進出した場合、原木の調達が難しくなると主張していて、現在も、一部の業者が、反対の姿勢を示しています。【製材業者】(清水木材工業・楠義信取締役)「(進出は)おかしい、僕たちから言わせれば。県外の業者と太刀打ちできない。運賃差や原木の仕入れで。(地元業者は)自然と消滅してしまうのではないか」一方、日向市は、200人を超える新規雇用など、県北経済の活性化に期待を寄せていて、現在、木材を活用した新たなまちづくりも検討しています。(日向市・黒木健二市長)「大きな企業が来る事によって、地場産業の技術の高度化、そういうものが伝播されていくのではないかと非常に期待している」大きく動きだした中国木材の日向進出。近く、進出予定地を所有する旭化成との交渉が始まり、進出に向けた具体的な協議が進められることになっています。
27日夜、西都市で、口論の末、妻の首を絞めて殺害した男が、警察に逮捕されました。男は、「家庭内のトラブルでかっとなり、首を絞めた」と供述しています。(田島リポート)「あちらが事件のあった現場です。こちらの家の2階部分で夫は妻の首を絞めたということです。静かな住宅街ということもあって、地域住民には不安が広がっています」捕まったのは、西都市右松の会社員、小山内清春容疑者39歳です。警察の調べによりますと、小山内容疑者は、27日午後7時半頃、自宅で、妻の由紀子さん47歳の首を両手で絞めました。小山内容疑者は、犯行後、由紀子さんの兄に、「首を絞めた。ぐったりしている」と連絡。家を訪れた兄が、小山内容疑者を取り押さえ、かけつけた警察官が、殺人未遂の現行犯で逮捕しました。由紀子さんは、意識不明の重体となっていましたが、28日朝になって、搬送先の病院で死亡しました。このため、警察では、容疑を殺人に切り替えて調べを進めていますが、小山内容疑者は、「家庭内のトラブルで、口論になり、かっとなって首を絞めた」と、供述しているということです。(近所の人は)「隣の人は、あまりつきあいないんですよね。びっくりしました。近所であんなことが起きるとは思ってもなかったんで」「優しいだんなさんですけどね。いつも挨拶よくする。仕事真面目で、朝早く出勤される」警察では、犯行の状況や動機などについて、小山内容疑者を追及しています。
イオンモールが、ダイエー都城店の跡地に建設を進めている、大型複合商業施設は、今年12月1日に、オープンすることになりました。オープンするのは、モール型ショッピングセンターの、「イオンモールMiell(ミエル)都城駅前」です。28日は、都城市で説明会が開かれ、イオンモールと、核店舗として入るダイエーの役員から、施設の概要が発表されました。(イオンモール・小西幸夫常務取締役)「イオンモールMiell都城駅前につきましては、2008年の12月1日月曜日、午前9時にグランドオープンをさせていただきます」イオンモールとしては、全国49番目となる「イオンモールMiell都城駅前」は、延床面積が約6万4千平方メートル、駐車台数は約1700台で、約100店舗が出店します。このうち、施設の核店舗としては、全国のイオンモールで初めてダイエーが入るほか、地元都城から、14店舗が出店します。今回のオープンで、イオンモールは、700人以上の新規雇用を見込むなど、大きな経済波及効果が期待されていますが、一方では、既存店舗との激しい競合も心配されています。「イオンモールMiell都城駅前」は、今年12月1日にオープンし、イオンモールでは、年間650万人の来場者を見込んでいます。
シドニーオリンピックの金メダリスト、マラソンの高橋尚子選手が、28日、現役引退を表明しました。以前、SNAとスポンサー契約を結ぶなど、宮崎とのゆかりも深い高橋選手、県内からも引退を惜しむ声が聞かれます。(高橋尚子選手・会見)「本日をもちまして、現役引退を決意いたしました。陸上人生に悔いはないという感じがします」高橋選手は、28日、東京で記者会見に臨み、現役引退を表明しました。「Qちゃん」の愛称で親しまれ、2000年のシドニーオリンピックで、金メダルを獲得した高橋選手。2003年には、SNAスカイネットアジア航空とスポンサー契約を結び、県内でのジョギング大会に参加するなど、宮崎とゆかりの深い選手でした。また、マラソンが趣味で、同じ大会で走ったことのある東国原知事も、高橋選手の引退を惜しんでいます。(東国原知事)「びっくりしました、先ほど聞いて、残念ですね。またどこか市民ランナーレベルで、いろんな大会に顔を出されて、みなさんに勇気付け元気づけをお願いしたい、長い間本当にご苦労さまでした」世界のマラソン界を牽引してきた高橋選手。今後は、市民ランナーとして、新たな人生のスタートを切ります。
10月、千葉県で、小学6年の男子児童が、給食中にパンをのどに詰まらせ、死亡するという痛ましい事故が起きました。こうした中、宮崎市では、保育士らを対象にした、乳幼児の心肺蘇生法の講習会がありました。万が一に備え、私も救命方法を学んできました。(竹内アナウンサーリポート)「日頃、乳幼児に接する機会が多い保育士などが参加した、きょうの講習会。皆さん、万が一に備えて熱心に講習を受けています」この講習会は、日本赤十字社県支部が開いたもので、参加者は、幼児向けの人工呼吸や、心臓マッサージなどを体験しました。また、参加者は、公共施設などに置かれている簡易型の電気ショック機、「AED」を使って、救命方法も行いました。(保育士は)「今までこういう状況に陥ったことはないんですけど、やっておくことで、あわてずに対処できるかなと思った」(生後8か月の乳児の母は)「すごくためになりました」(もしお子さんに何かあったときは?)「実せんしてみようと思いました」また、参加者たちは、幼児がのどに異物をつまらせた場合の対処方法も学びました。(日本赤十字社県支部・栗山豊事業推進係長)「万が一、園児が不慮の事故の場合は、その場にいる先生方が正しい対応をしていただくと、それ一番大事だと考えている」119番通報から、救急車が到着するまでの時間は、約6分40秒と言われています。その間の行動が子供の命を左右するだけに、日本赤十字社では、講習会を通して、救命方法を学んで欲しいとしています。
小林市須木の観光施設「すきむらんど」の指定管理者、「すきむらんど振興協会」が、虚偽の決算報告と申告漏れをしていた問題で、小林市議会は、28日、臨時議会を開きました。市側は、不足しているすきむらんどの運営費として、9月議会に2830万円を予算化しましたが、今回新たに申告漏れのあった、消費税や法人税なども追加提案、予算規模は約3300万円に上っています。これに対し、議員からは、「なぜ今まで不正が見抜けなかったのか」といった意見や、「責任の所在を明らかにすべき」など厳しい意見が相次ぎました。今後、市では、須木庁舎の職員の処分も検討する方針です。
真っ赤に紅葉しているのは、北郷町にあるイロハモミジの大木です。このイロハモミジ、幹周りが2.4メートル、高さが20メートルあり、樹齢200年とされています。今年は、去年より数日早く色づき始め、空の青さと周囲の緑の中、赤く、くっきりと浮かびあがっています。すっきりと晴れた28日は、行楽客や地元の人たちが訪れ、風情あるたたずまいを見入っていました。このイロハモミジ、11月始めには、全体の葉が紅葉し、11月中旬まで楽しめるということです。
自民党県連の緒嶋雅晃会長は、28日、自民党本部を訪れ、公募制により、次期衆院選、宮崎1区の公認候補予定者に、上杉光弘元参議院議員を、選出したことを報告しました。28日朝、上京した自民党県連の緒嶋会長は、党本部で、古賀誠選挙対策委員長と面会し、公募制により、上杉氏を公認候補予定者に決めたことなどを、報告しました。面会を終えた緒嶋会長は、「公募制について、古賀氏は、特に言及しなかったが、党本部の理解は得られたと考えている」と、述べました。自民党県連では、上杉氏について、党本部の要請を受けた後、正式に公認申請することにしています。
SNAスカイネットアジア航空は、機材の点検で、尾翼にへこみが見つかり、修理が必要になったため、28日から3日間で、あわせて18便を欠航することになりました。SNAによりますと、26日、長崎発東京行きの便の出発前の点検で、水平尾翼の左側に、鳥などがぶつかったとみられるへこみが、3か所見つかりました。SNAでは、現在、修復作業を行っていますが、機材繰りがつかないため、28日から30日までの3日間で、羽田空港と宮崎、長崎などを結ぶ、あわせて18便が欠航することになりました。このうち、宮崎ー羽田線は、10便が欠航します。SNAは、欠航する便に予約していた約1400人については、SNAの別の便などに振り替えて対応することにしています。