10月の経常収支、韓国の信用格付けに影響か
「10月の経常収支」が今後の韓国の信用格付けに大きな影響を及ぼす変数として浮上している。
10月の経常収支が黒字転換されれば、外貨準備高が増え、海外で取り上げられている韓国の国家倒産説を和らげることができる。また、為替レートの変動幅が減ることで、株価の安定にもつながる可能性がある。李明博(イ・ミョンバク)大統領も27日、国会演説で「現在の為替レートは10-12月期の経常収支が黒字に転換されれば、大きく好転するだろう」と述べた。
企画財政部の関係者も同日、「外国人投資家に対し、経常収支は10月から黒字転換されると説明したら、皆喜びの表情を浮かべ“本当か”と聞いてきた」という。外国人の間では、韓国の10月の経常収支が今後の韓国経済の信頼度を判断する材料となる、という見方が形成されているとのことだ。
今年に入って経常収支は1-8月まで125億9000万ドル(約1兆1582億円)の赤字を計上している。原油高で石油の輸入が急増し、商品収支が赤字になったことが最大の原因だ。その上、ドルに対するウォンの価値が下がったため、海外留学や旅行などに伴うサービス収支も大幅に悪化した。
これにより経常収支は下半期に入って、今年7月に25億3000万ドル(約2327億円)の赤字、8月に47億1000万ドル(約4333億円)の赤字となるなど、大幅な赤字を記録した。9月の統計は10月末に出されるが、9月も赤字になったものと政府はみている。
しかし政府は、10月に原油価格が下がったため「経常収支は黒字転換する」とみている。10月の統計は11月末ごろに出る。10月以降の経常収支が黒字転換されれば、年間を通じた経常収支赤字額も100億ドル(9200億円)水準にとどまるのではないかと政府は期待を寄せている。
吉報はまず、商品収支から現れる可能性が高い。企画財政部の関係者は「10月に入ってから生じた年末の海外需要などで、商品収支の黒字幅が予想以上に増えている」という。また、サービス収支も秋夕(中秋節:今年は9月13日から15日まで)連休以降、海外旅行の需要が減り、赤字幅が減っている。
政府の関係者は「経常収支はトレンド(成り行き)が非常に重要だと話し合った」という。10月の経常収支の黒字幅が小幅にとどまっても、ひとまず黒字転換されれば対外的にも良い影響を及ぼすことから、外貨準備高の減少、準債務国への転換などの悪材料をぬぐい去ることができるためだ。10月の経常収支が外国為替市場の悪循環を克服することができる決定的なターニングポイントになると政府がみているのは、こうした根拠のためだ。
金起勲(キム・ギフン)記者
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