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第5回 株価と出来高の関係

これまでは、チャートを見るときに基本となる「ローソク足」や「チャートの使い分け」をお話してきました。

今回は、一歩実践に近づいて、チャートと密接なつながりのある「出来高」について見ていきましょう。

チャートから株価と出来高の関係を読みとろう!

「株を買おう」と思って注文を入れても、売る人がいなければ買うことはできません。株式の売買では「買い」と「売り」の値段と数が合ってはじめて売買が成立します。そして、売買が成立した株数のことを「出来高(できだか)」といいます。チャート画面の下の方に表示されている棒グラフが「出来高」です。

株価が上昇するのは、これから「株価が上昇すると考える人」が、「株価が下落すると考える人」よりも多いからです。株価の上昇で儲かった人を見た人が、『早く買わなければ買いそびれてしまう』、『今買わなければ、もっと上がってしまう』と考えて『慌てて買う』ことで、売買の数がどんどん増えて人気化し、株価はさらに上昇することになります。

そして、ある時点まで上昇すると、株を買う人がいなくなることで株価の上昇が止まり、やがて下げに転じます。それまで買っていた人たちは、今度は『利益を確定しておこう』と考えて売りはじめます。さらに株価が下がると、『もっと下がる』と考える人が多くなることで下落し続けることになるのです。

株価と出来高の関係は次のような流れになっています。

1. 株価が安いときは誰もその銘柄に注目していないため出来高も少ない
2. 株価が上昇するにつれて、割安株を買いたい人たちが買いはじめ出来高も増加
3. 株価が大きく上昇してピークをつけたあたりで出来高もピークとなる(焦った投資家が買うので株価が急騰、その後買いたい投資家がいなくなって株価の上昇が止まる)
4. 株価が下落するにつれて出来高は減少し、売りたい人がいなくなると株価が止まって最初と同じように出来高も少なくなる

このように、株価が下落すると出来高は少なくなる傾向があります。

しかし、ここ数年で以前に比べ『割安株投資』が投資家に浸透した結果、“株価が下がる過程”で「株価が安くなったので、そろそろ買ってみよう」と考える投資家の買いが入ることから、出来高が増加する動きとなるケースもあります。

株価がどこまで上がるか、どこまで下がるかは誰にもわかりませんが、株価と出来高を見て唯一わかることは、『株価がすでに上昇してしまっているのか』、『出来高が通常よりも多くなっているのか』という2つです。このため、高値で買わないためには、チャートから株価とで出来高の関係を見ることが大切なのです。

株価が大きく下落し、出来高も減少したら買いチャンス

投資家の買いが殺到して“人気化”した銘柄も、必ずいつかは上昇が止まります。つまり、出来高が急増して大きく上昇した銘柄でもいつかはその人気が落ち着くということです。そして今度は「利益を確定しよう」と考える投資家の売りが多くなることで、株価が下がることを『調整する』といいます。しかし、株価を上げる要因=『材料』が大きいときや、相場全体の勢いが非常に強いときには、調整しないで上昇し続ける場合もあります。

しかし、どのようなときでも負けないためにリスクを最優先に考えるのならば、「株価が上昇し、出来高が増えているときは危険」と考えておくに越したことはありません。

このため、第一に「株価が上昇し、出来高が多いときには買わない」、第二に「出来高が少なくなり株価が大きく下落したあとに買う」ということが必要になります。

株価と出来高はおたがい密接な関係があることがお分かりいただけたでしょうか?

株価が上がっているとき、下がっているときに出来高がどのように変化しているのかをチェックすることはとても重要です。

つまり、買う前にチャートで株価の動きと出来高の推移をチェックすることは、株式投資で負けないために最も重要ということです。

POINT

・ 株を買ったり売ったりする前には、必ずチャートをチェック!
・ 株価が上昇し、出来高も増えているときには株を買うのは控える。
・ 株価が下落し、出来高も減少しているときが買いチャンス。

ケンミレのチャートでは、確認したい企業の「銘柄コード」(株式市場で、企業を特定するための固有の番号)か「企業名」を入力すれば、簡単に株価チャートを見ることができます。
銘柄コードがわからなくてもチャートを出せるので、知っている会社の名前を入れて、いろいろな企業のチャートを見てみましょう。

 
 

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