ロイプニッツ・ノイオストラ教会での演奏会

3月28日。天気は晴天でしたがこの日もかなり冷え込んでいました。


 

ドレスデンのロイプニッツ・ノイオストラ教会へ。この教会はそれはそれは古かった。なんと建てられ始めたのは800年前ということです。小さな教会ながら3階席まであり、ちゃんとちいさなオルガンもあります。壁や天井すべて宗教画やレリーフで覆われています。古びているけどものすごくゴージャス。そして、強烈に寒い!!

 控え室にした礼拝堂横の小部屋の小さな祭壇の上には小さな十字架がのっていました。この小部屋は石づくりの地下牢みたいな感じで(元はなんだったのだろう)ここも強烈に寒いのです。クルーゲさんが気を利かせて電気のヒーターを3台、ステージになるところの周りにおいてくださいました。でもまだ寒い。たいへんだー。私たちのドレスは半袖なんです!

2階席に見えるオルガンのパイプ。何人のオルガニストがこの下に座ったのでしょう。 これは、何という場所なのでしょう?誰かの特等席ですか?カントルにお聞きすればよかったな。
床のこの部分ができたのが1720年。バッハが35才のときです。 こういうレリーフがちりばめられていました。黄金のどくろは何を意味する?
思わず見入ってしまった、天井画。首痛いです。
中央の祭壇。このすばらしい芸術作品の前で演奏しました。
寒〜いリハーサル風景(帽子が脱げない。神よ許したまえ。)
 チェンバロ・ソロのリハーサルをしている間に、教会の外をまわりました。周りは墓地になっていて、それぞれのお墓の周囲は広々として色とりどりのお花が飾られていてとても美しいのです。天気は晴天で明るく、どこからかフクロウの鳴き声が聞こえていました。

 そして本番。そんな寒さにもかかわらず数十人のお客さんが来てくださいました。毛皮の帽子をかぶってコートを着込んだ女性がとても楽しそうに聴いていました。でもいきなり最前列でフラッシュをたいて写真を撮られたときは驚きました。日本人、めずらしかった? 私たちは半袖ドレスの下にズボンその他いろいろとこっそり着込み、一曲一曲の間に楽屋(地下牢)のヒーターで手をあぶりながら演奏しました。それでも演奏の方はうまくいき、お客さんも喜んでくださったようです。特にソレルのチェンバロ曲は大受けでした。なんだかちょっと、夢の世界のような現実感のないような...外国でのコンサートでした。
プログラム

1. A.ドルネル:トリオ Suite en Trio de Libre de simphonies
2. C.Ph.E.バッハ:ハンブルガー・ソナタ ト長調(フラウト・トラヴェルソのための)
3. J.デュフリー: クラヴサン組曲より
4. A.カンプラ:トラジェディ・バレエ「タンクレード」より抜粋(バロックダンス)

5. G.サンマルティーニ:オーボエソナタ第4番ト長調
6. A.ソレール:ファンダンゴ (チェンバロソロ)
7. 宮城道雄:春の海(フラウト・トラヴェルソ とチェンバロで演奏)
8. G.Ph.テレマン:フラウト・トラヴェルソとオーボエと
通奏低音のためのトリオ、ホ短調(「食卓の音楽」第2集より)

アンコールは滝廉太郎の「花」