2008-03-30 わたしがDVDを借りるまで
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2007/04/25
- メディア: DVD
わたしはYou Tubeで加藤ローサのレイプシーン(ドラマ内のものです)を観るのが趣味なんですけど、それとは関係なしに、加藤ローサが出演しているわけでもないのにYou Tube繋がりで上の映画の存在を知りました。
昨夜「これ、今観たい!」とレンタルビデオ屋に走りました。
レンタルビデオ屋でなかなか見つけられず、かといって知らない人に話しかけるのは苦手なので店員にも訊けず、30分間ビデオ屋の邦画コーナーをうろうろしていました。
挙動不審にうろつきながら、心の中で『店員さんもみんな忙しそうだし』と言い訳をしたり『ここのビデオ屋、そもそも棚が見づらいんだよ』と悪態を付いたりしました。
やっと見つけたと思ったら中身が入っていませんでした。
只今レンタル中です。
もう1軒のビデオ屋へ走り、なんとか借りて来られました。
終わり。
この日記は、わたしがこのDVDを借りるまでの日記です。
詳しい感想は書きません。
だけど、とてもいい映画でした。
2008-03-28 さらに何もなくなった
2008-03-27 緑には何もないらしい
『ノルウェイの森』で、緑が歌っていた歌に曲を付けてみました。
作中で主人公の男が「歌詞もひどいし、曲もひどかった」と言っています。
タイトル:何もない
作詞:緑(村上春樹)
作曲:森にえ
歌:森にえ
http://www.sepia.dti.ne.jp/tmth/nothing.mp3
あなたのためにシチューを作りたいのに
私には鍋がない。
あなたのためにマフラーを編みたいのに
私には毛糸がない。
あなたのために詩を書きたいのに
私にはペンがない。
2008-03-25 赤色のモスコミュールとセカチュー
「いま、すっごい小説読んだ! 著者は佐藤友哉っていうんだけど、読んだら人を殺したくなった」
わたしがそんな文面の携帯メールを送ったのは、当時同じ本屋で働いていた異性の友人だった。
彼からの返信はすぐに来た。
「俺もいますげぇ小説読み終えたとこ。『世界の中心で愛を叫ぶ』ってタイトルなんだけど、冒頭から彼女が死ぬシーンなんてありえないよ。号泣した(顔文字)」
セカチューが映画化されるちょっと前で、わたしは23歳、彼は20歳だった。
もう5年も前の話だ。
それなのに、このメールのやり取りはいまだによく思い出す。
「読んだら人を殺したくなった」小説……「赤色のモスコミュール」の収録された『灰色のダイエットコカコーラ』が去年発売され、部屋の本棚に並べてからは思い出す頻度が高くなった。
わたしと彼は、上のメールのようにいつも噛み合わなくて、互いに詮索しなくて、対等だった。
……ように思っていたけど、いろんなエピソードを思い出すにつけ、年下の彼のほうが、世の中のことをなにもわかっていないわたしに、いろいろ教えてくれていたから、そういう意味では対等ではなかったのかもしれない。
バイトの帰りにふたりでレンタルビデオ店のAVコーナーに入ったことがあった。
「わたし入ったことないんだよね。入ってみたいからバイトの帰りにTSUTAYA付き合ってよ」
わたしの提案だった。
「いいけど。それ、俺じゃなかったらぜってぇー誘ってると思われるから気をつけろよ」
「ふ〜ん。そういうもんかね?」
AVコーナーに入ると、彼は早々に「もう無理。恥ずかしくて無理」とギブアップ宣言をした。
わたしはもっと、ビデオとか客とかを観察したかった。
免許を取りたてだった彼は運転したくてしょうがないらしく、わたしをよくドライブに誘った。
親の車だけど車の中は彼の趣味で、乗るたびに紫色に光るものが増えていった。
「ドライブ付き合って」というメールに、「いま4駅先のパルコ。たいへんだ! 買うものあるのにもうすぐ閉店だ」と返信したら、「送り迎え付きでどう?」というメールが返ってきた。
車の中で「なんでこんな時間にパルコ?」と訊かれ、「えへへ。彼氏できた。明日デートなんだ。着る服なくてさ〜」と答えるわたしに彼は言った。
「彼氏に『昨日なにしてた?』って訊かれたら、間違いなく『友だちとドライブ』って答えるだろ」
「うん。そうだね。いまこうしてドライブしてるからね」
「ふつう嫉妬するから。そういうこと隠しとけよ」
「ふ〜ん。そういうもんかね?」
ドライブ中は、「車の中から見えるラブホを多く見つけたほうが勝ち」という遊びを毎回やった。
相手に先に言われまいと、大声でラブホの名を叫んだ。
わたしが考えた遊びだった。
彼は、わたしが路上でウクレレを弾きたいと言えば缶コーヒー1本で付き合ってくれたし、「サシで飲もうや〜」というわたしのお決まりの台詞から始まる呑みにもよく付き合ってくれた。
わたしは彼といるとき、バイト中の仕事ができなくておどおどしたわたしではなくて、底抜けに明るいいつも笑っているわたしだった。
隠すこともなく半袖を着てリストカット痕をさらしているわたしに対し、バイト先の他の男性は面と向かって「痛々しいですね」と言うこともあった。
だけど彼は何も聞かなくて、わたしの話すことだけを聞いて、わたしの演じる明るいわたしを、「わたし」として受け入れてくれた。
少なくとも、『そう受け入れてるよ』と見えるように振る舞ってくれた。
わたしのほうも、『彼の出身高校はすごく成績がよくなきゃ入れない学校なのに、なんで大学に行かなかったのか』とか、疑問はあったけど、自分から彼になにかを聞くということはなかった。
みんなに言っている「高卒」というのは嘘だということ、本当は大学中退でそれにはわけがあること、そのわけ、などを彼のほうからぽつぽつ話してくれた。
一般的に異性間の友情は難しいと言われているけど、あのとき、確かにわたしたちの間に友情は成り立っていた。
全部をさらけ出さないからこそ、成り立っていたんだと思う。
『わたしを知って』という身勝手な欲求から、わたしがいつも長文メールを送っていたら決して成り立たなかった。
彼から送られてきた印象的なメールがもうひとつある。
「空がピンク」
たったそれだけのメールだった。
「ほんとだ! ピンクだ!!」
わたしはそのとき部屋にいて、カーテンを開けて窓から顔を出しながらメールを打った。
家が近くて、バイト先が一緒で、わたしが処女で、彼が誠実だったから成り立った関係だった。
いま思えば、彼がいくら誠実だと言っても、わたしがバイトをいい加減な辞め方をしたくらいで嫌われたりはしなかったと思う。
それなのにわたしのほうから、バイトを辞めたのを機に彼と連絡を取らなくなった。
たとえ再会したとしても、「空がピンク」というメールはもう送受信できないから、彼とはもうこのまま会えないままがいいと本気で思う。
「いつか他の人と、あんなかたちの友情が育めればなぁ」と、わたしにとっての模範的な友だちの形として、彼をときどき思い出す。
2008-03-24 keep watch
手書きの書類を整理していたら、上の紙が出てきた。(読まなくていいです。雰囲気だけ伝わればいいです)
『なんだ、この話し言葉そのまんまの文章は!? ヤンキーか? 書いたの、わたしじゃないぞ』って思ったけど、確かにわたしの字だった。
「いつなんのために書いたのか思い出せないんだけど、こんなん出てきたよ」と天才に渡したら、読んだあと、無言で返された。
何度か読み返しているうちに、この文章がなんだったか思い出した。
わたしはむかし、映画に出演した。
初めて監督に会ったとき、観た人が、どこまでが演技でどこからが出演者の素の姿なのかわからない、そんなフィクションとノンフィクションの間のような映画を撮りたい、と聞かされた。
それもあってか、出演者は一般公募で全員役者経験ゼロだった。
『「素」のわたし……
ということは、監督にわたしという人間のすべてを知ってもらわなければならない。
少しの誤解もされたくない。
本当のわたしを!
監督に!!』
映画を観た人に自分を伝えたいという気持ちはすぐに吹っ飛び、監督個人にわたしを知ってもらいたいという欲求に変わった。
出演が決まってから次の打ち合わせまでの数日間、毎日深夜まで、自分を伝えるため……次に会ったときに監督に読んでもらうためだけに大量の文章を書いた。
ありとあらゆる事柄についてわたしが思っていることを伝えようとした。
「ありとあらゆる事柄」はまだわかるとしても、なぜかありとあらゆる文体で書いていた。
インタビュー形式の文章もあった。
聞き手の「A」が誰なのかは、いまのわたしにはわからないし、当時のわたしにもわからなかったと思う。
そうして書いた文章のうちの20分の1くらいを清書して、監督に渡した。
結局、映画のテーマに関連があるものだけを選んで持って行った。
会って間もないこともあり、多少の自制心が働いた。
ところが撮影期間は長かった。
その長い撮影期間中、監督にしょっちゅう長文メールを送っては、返信をいただいていた。
その頃パソコンを持っていなかったから、携帯電話からメールを打っていた。
撮影で監督に会ったとき、「すいません。このあいだは深夜にメールを送ってしまい……。起こしてしまいませんでしたか?」と訊いたら、「パソコンだから平気ですよ。朝読みました」という答えが返ってきた。
パソコンのメールも、ケータイと同じように着メロが鳴ると思っていた。
「わたしだけですよね。こんなに監督にしつこく自分を伝えようとするの……」と、多少申し訳ない気持ちで言ったときは、「他の出演者にも何人かいますよ」とさらりと言われた。
ふたたび天才のそばへ行き「思い出したよ。なんのために書いた文章だか」と言って、上に書いた事情を話した。
「監督もたいへんだったね。慈善事業みたいだね」と天才が言った。
以上をふまえた上で、明日は「友情」について書くのでお時間のある方はまたお越しくださいませ。
……と書きつつ、その文章はもうすでに書いてある。
こういう順序のほうがおもしろいかなぁ、と思ってこっちを先に載せた。
下の絵は、今日ファミレスのトイレで、オムツ替え台の注意表示を描き写してきたもの。
「目を離さない」……その目が怖い。
2008-03-20 としおったら
クリィミーマミのDVDが欲しい。
Amazonだと5万円以上もする……うー。
手元にDVDがなくても観られればそれで良いような気もする。
ただ、近くのレンタルビデオ店には置いてない。
買ってしまうか、都心のTSUTAYAに毎週1回とか、クリィミーマミを借りるためだけに行って返して、を繰り返すか。
(1週間でまとめて全部観るのは無理ー)
悩むところだ。
上に貼った動画、「貼れない貼れない。動画貼れない。……あ! 貼れてた」と、パソコン音痴のわたしが1時間もかけてやっと貼れた画像なので、どなた様も見てほしい。
「俊夫ったら、いつもマミマミって言ってひどいよね」
このセリフだけで、優ちゃんがかわいくてかわいくて、仕方なくなった。
むかし観てたときは、『マミは髪が長くてかわいいけど、優は髪が短いからかわいくない!』って髪の長さだけで優を嫌ってた。
といっても、マミは優の変身した姿。
「俊夫ったら、いつもマミマミって」……
俊夫に好かれてるのは自分なんだけど自分じゃない。
10歳の女の子にこんな辛さを背負わせていいのか!?
この動画は本編じゃなく映画版だかOVAだか?
早く、ものすごーく久しぶりに本編を観たい。
追記:やっぱりわたしはうまく動画を貼れてないようで、再生ボタンを押すと再生されません。
再生ボタンからちょっとずれた、クリィミーマミのほっぺとかをクリックすると、YouTubeに飛んでって再生されます。
2008-03-19 パートがあるので帰ります
今日は夜から飲み会だ。
わたしは誰よりも早く疲れる。
早く帰りたくなる。
そこで、家にあった本を参考に、先に帰る言い訳を考えてみようと思った。
とくに用はないけれど、疲れたから帰りたい、というとき。「このあと用があって」「家で仕事をしないといけないから」などと、月並みだが「ほんとうに?」などと突っ込まれにくい理由を挙げておこう。具体的に内容を説明する必要はない。
いやだ!!
こんなのおもしろくない。
むしろ、「嘘だろ!」と突っ込んでほしい。
わたしは、そこにいる全員が『アホだ! 帰りたいんならふつうに言い訳すればいいのに』と思って笑ってくれるような、そんな言い訳を残して去って行きたい。
そこで思いついたのが、「明日、朝からパートがあるんで」。
これは、わたしが言うと笑ってもらえそうだ。
「絶対パートなんてできないでしょ」
「いえ。スーパーのレジ打ちが。品出しが……。えーと、さかな並べないと」
ただ、わたしのことをよく知っている人ばかりの場でしか使えない。
今日みたいに、知らない人がたくさんいる場では、「へぇー。スーパーで働いてるんですね。じゃあ、残りのお総菜とかもらえたりするんですか?」って、ふつうに話を広げられそう。
「えぇ。あぁ。まぁ。嘘なんですけどね。ハハ」
「……」
数時間以内におもしろい言い訳が思いつかないと、わたしは飲み会に行けない。
2008-03-17 自己評価の低い女が出てくるマンガ・しりーず
5年前、知人から「どうしてそんなに自己評価が低いの?」と訊かれて、「わたし自己評価、低くないです。自信ありますから。自分のこと好きですから」と憮然として答えたことがある。
そのとき、「自己評価」という言葉の意味すらわかっていなかった。
「自己評価が低い」と断定された=その人にとってのわたしの評価は低い、と考え、『なめられてたまるかー!』と思って、必死で否定した。
それからもうずいぶん経つから、たくさん物を持つのが嫌いなわたしの本棚の中身はほとんどすっかり入れ替わった。
それなのに、捨ててはまた同じ数だけ買ってしまい、いっこうに減らない、自己評価の低い女が出てくるマンガたち。
中には昔から持っているものもある。
名作だと思っているものもある。
ただ、わたしの活用法が間違っているんだ。
落ち込んだり、自信がなくなったりする……このときたいてい理由はない。
脳の調子がおかしいだけ。
すると、本棚から「自己評価が低い女が出てくるマンガ」ばかりを抜き取って、机の上に積んで、そしてガーっと連続で読む。
泣く。
泣くために読んで予定通り泣く、なんて間違っていると思う。
どれも初めて読んだときは純粋に感動したのに、そんなふうに利用してごめんなさい。
わたしが共感して泣くヒロインだったり、ヒロインじゃなく脇役だったりする女の子の名前を合わせて表記。
「いごこちのいい場所」の堀川夕子
マリエ
表題作の星山星子
表題作の桜井知花
「酒とばらの日々」
うん そう
酔っぱらってんの
だから私
だから
とても幸せであります
何も考えずにいる時が
私 とても 1番 幸せであります
帰れよ
もう帰れ!!
とっととこわれた私すてて帰れよ!!
あっ!
うんこもれた
う う〜
うう う う…
私ぃ〜
私ぃ〜でも
生きたいよー
でも生きたいもん!!
生きたいから
くるしいよー
ずっと死ぬまで
生きたいよ私
こわれた私でも生きたいの私
私ずっと生きたいよ〜
昨日は、花粉症の天才がクシャミをしないよう、はたきをかけたり掃除機をかけたりして、家じゅうの花粉を追い払うことしかできなかった。
「わたしには花粉を追い払うことしかできないんだ。他には何の才能もない、花粉としか戦えない弱い人間なんだ」と思って泣いた。
むか〜し、村上春樹の『ノルウェイの森』を読んで、作中で緑が歌っていた『何もない』って歌にてきとうな曲を付け、ウクレレ弾きながら親しいひと数人に歌って訊かせたみたいに、華倫変のマンガのセリフに曲を付けて遊ぼう! という楽しい考えがたった今うかんだ。
お金になることは何ひとつできないけど、「生きたいなぁ」と最近ときどき思う。
2008-03-16 魔法少女ニューロシス 1
『次はどれを食べようかな』
お弁当箱の中身を覗くふりをして、腕時計を見た。
もう、三分が経過している。
今は昼休み。夏希と咲子、それにわたしの三人は、みっつの机を付け、あいだに三角形の隙間を作って、座っている。
夏希が「五時間目の体育は何をやるんだろうね」と言った。
助かった。夏希の当たり障りない発言によって、三分間の沈黙は破られた。
咲子が「隣のクラスの友達に聞いたんだけど、バドミントンらしいよ」と答えた。
わたしはすかさず相づちを打とうとしたけど、夏希の「ヤバッ! むだ毛剃ってない」という言葉に遮られた。
口の形だけが「へぇー」で、声は出さなかった変な人間……
夏希と咲子に、きっとそう見られたに違いない。
咲子は、夏希の「むだ毛」発言にたいし、机を叩きながら大げさに笑い、「ちょっとやめてよ。ジュースふくとこだったでしょ」なんて言いながらも、二十秒後には真顔に戻った。
また三人のあいだに沈黙の時間が流れる。
腕時計の針は、三十秒、四十秒と進んでいく。
この高校に入学して三週間。この三人グループに所属するようになって同じく三週間。 お昼休みや、授業と授業の合間の休み時間に、ふたりに気付かれないよう腕時計を確認するのは、もうお手のものだ。
……あ!
五分経過。
タイムリミット。
わたしの決めた、沈黙の限界時間。
どうしよう。
なにか話さないと。
さっきは咲子が話題提供した。
そして夏希が話を広げた。
わたしは、ふたりから見たら、まったく話に加わらなかったわけだ。
だから今度はわたしが何か話す番だ。
えっと……
「あのね、わたしのお父さん……」
夏希が水色の箸をくわえながら……
咲子がお弁当箱を机の上に置いて姿勢を正して……
わたしを見た。
「わたしのお父さん……」
視線をさまよわせながら、わたしはもう一度繰り返した。
夏希が箸をナプキンの上に置いた。
「魔法使いなんだ」
わたしは最大限に明るい笑顔で、ちょっと大きめの声で、言った。
きっとふたりは笑ってくれるに違いない。
大爆笑だ。
こんなおもしろい話、笑わないわけがない。
最大限の笑顔のまま、ふたりの顔を交互に見た。
夏希が目をそらした。
咲子も目をそらした。
ふたりは、お弁当箱を持って、さっきよりもハイペースで玉子焼きやらそぼろごはんやらを食べ始めた。
「あ、あのね、魔法使いっていうかね、科学者……でもあるのかな? とにかく変なんだ。
これがまた笑えるんだよ。笑い話には事欠かない人なんだよ」
「へぇー。おもしろいお父さんだね」
咲子が言った。
……え?
まだ何も具体的なことは話してないのに。
腕時計を見る。
二分四十秒経過。
これは、わたしがお父さんのことを話題にしてから、夏希が沈黙している時間。
……何か別の話題に変えないと。
夏希が高野豆腐の煮付けを箸でつまみ、口元まで運んだ。
「夏希、高野豆腐って、スポンジの味がするよね」
夏希は箸を止めた。
「うん。そうだね」
2008-03-14 「わたしを好きでいて! 同時に早く嫌って!!」
ダブルバインドというやつですね。
メンヘル歴が長くて同じ人と付き合いをしていると、「またかよ。そうやって異なる欲求を押し付けてくるのをダブルバインドっていうんだよ」と何度も教わり、また自分でも「あ〜、これはダブルバインドだ……」と気付くようになってきた。
「心配して! ほっといて!!」
もけっこう多い。
昨日の深夜、リビングで「あぁ。死にたいなぁ〜。やっぱり飛び降りかなぁ」と考えながら泣いていたら、夫に「大丈夫?」と聞かれ、「うん。大丈夫」と答えた。
夫は階段を昇って寝室に寝にいった。
『大丈夫じゃないでしょ〜。どう見てもー』
と思い、腹が立った。
腹が立ったから、わたしが寝室に入っていったあと、わたしの持ってきた水の入ったマグカップから水を飲む夫に、「また入れてこないといけなくなるでしょ! わたし、水たくさん飲むんだから!!」とへんなキレ方をした。
あぁ。
途中まで書いたけど、鍼灸院に行かないと。
鍼灸院に通っていると、リストカットもできやしない。
半袖の手術服みたいのを着せられるから、手首に包帯なんて巻いて行ったら、「ねん挫ですね。そこにも鍼を打っておきましょう」と傷口に鍼を打たれてしまうかもしれない。
時間がないから超特急で書く。
わたしがこの「楽しい日記」をしょっちゅうプライベートモードにして、わざとアクセス数を減らすのもまた、このダブルバインドというやつ。
『みんな見て! 見るのをやめて!! 20人もの人がわたしの日記を見てるなんて、そのほとんどが惰性で見続けてるに決まってる。とくに最近のわたしの日記は暗いのばっか。下手な歌だって歌っちゃうし。呆れて見るのをやめるなら、早いうちにやめればいいじゃないか。だけどほんとはそれでも「また壊れてる、おもしれぇ〜」って思って読んでくれてる人が19人くらいいるといいなぁ』
という考えのもと、見てくれた人の純粋な人数であるユニークアクセス数が数日続けて20人を超えたことと、わたしの脳が壊れて暗い日記が続いたこと……このふたつの条件が揃うと、「閉鎖宣言」は発動する。
宣言しても数日で戻ってくるのは、数日もすればすぐに20人は下回るから。
人が減ってほっとして、それと同時にがっかりして、またここに帰ってきた。
2008-03-13 女マフィアの日記
今日はセシルマクビーとピンキーガールズで服を買った。
セシルマクビーで買ったワンピースはJJだかRayだかに掲載されたものと同じ。
売られているときハンガーに雑誌の切り抜きが貼り付けてあったから、雑誌掲載商品だということがわかった。
ギャルのイメージが強いセシルマクビーで服を買うとき、毎回何かに負けたような気になる。
しかも今回買ったのはJJだかRayだかに掲載されたもの。
レジで会計をしているとき、「わたしも日和ったな」と思った。
ピンキーガールズはその名の通り、ピンクの服がたくさん売っていて、リボンの付いたデザインも多い。
ここではトレンチコートとスカートを買った。
ピンキーガールズで服を買うとき、「わたしも女なんだなぁ」と思う。
あんまり良い意味じゃなくて、「あ〜あ。困ったもんだ」って感じにそう思う。
夜、家に帰って、天才に買った服を着て見せた。
「せっかく新しい服を着たんだから出かけよう」と言われ、コンビニに向かった。
トレンチコートといえば銃。
そして、わたしはトレンチコートを着た女マフィア。
……という発想から、コンビニに着くまで何度も発砲する真似をしながら歩いた。
「それだと衝撃で手首が折れるぞ。もっと真っすぐ」と、天才の指導がいちいち入ったけど、わたしは何度やっても手首の折れる発砲の仕方しかできなかった。
天才はコンビニでコーラとポテトチップスを買っていた。
わたしは女マフィアだけど、拳銃どころか財布も持っていないことに気付いて、とくに買うものもないのに、手ぶらなことが急に恥ずかしくなった。
帰りは発砲ごっこをしないで小股でちょこちょこ歩いた。
発砲ごっこをしているときは夢中で気付かなかったけど、服の上から下から、風が入ってきて寒かったからだ。
まだ春物の服を着て出かけるには肌寒い。
2008-03-08 文字書かない、間接的にでも人と関わらない
「楽しい日記」は、先の『イカロス』をもって凍結させて頂きます。
呼びかけー
A君:長いようで短かったー
Zさん:6年かん
卒業生一同:6年かーん
こうして、6年も続いていたのかい、という紛らわしい誤解を残しつつ更新を停止致します。
2008-03-07 わたしの原点
2008-03-06 わたしはほにゃらら
- 作者: 大槻ケンヂ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2003/06/14
- メディア: 単行本
ここ1週間くらい、オーケンの歌詞集におまけで付いてきたCDの収録曲『やってんだかわからない美術館』と、CDアルバム収録の『シーサイド美術館』の聴き比べをして遊んでいる。
わたしとしては、歌詞が「ららら」とか「ほにゃらら」の混ざってる「やってんだかわからない美術館」のほうが、歌詞も楽器も増えて壮大になってる『シーサイド美術館』よりも好き。
というか、オーケンの曲の中で『やってんだかわからない美術館』はトップクラスに好きだ。
お前は らららららら ららら ららら ららら ららららら
らららら ららら らららら らららららら ららら ららら ららら
引用してみたけど、「ら」の数が圧倒的に足りない。
お前は「ららら」って、結局お前はなんなんだろうなぁ。
わたしは、「ほにゃらら」だ。
2008-03-04 桃色遊戯
語彙の豊富な人って素敵だよね。
物知りな人ってかっこいいよね。
ずいぶん前に、JRから地下鉄に乗り換えるために駅構内を歩いていたとき。
隣を歩いていた天才が唐突に、それまでわたしの知らなかった「桃色遊戯」という言葉を教えてくれた。
わたしはそれ以来、『桃色遊戯』という名のホームページを持ちたくて仕方ない。
この『楽しい日記』が、「楽しい」という言葉のイメージからずれているように、『桃色遊戯』には、全然「桃色」じゃないことを書くのだ。
たとえば、西友でベランダ用サンダルを選んでいたら、おじいさんに「これは婦人用かね?」と別なサンダルを目の前に差し出されて、「わ、わかんないです。わかんないです……」と言ってあわてて立ち去ったこととか……
あぁ、今日のあのおじいさんは、どっちだったんだろう?
わたしを店員と間違えて聞いたのか、それとも店員じゃないとわかってて聞いたのか。
わたしはコート着て鞄を持っててもよく店員と間違えられるし、そうじゃなくても知らないおじいさんやおばあさんによく話しかけられるから、どっちだかわからない。
店員だと思って聞いたのなら、「恐れ入りますが、わかりかねます」とか、もっとこう、ちゃんとした敬語で答えなくちゃいけないなぁ、と思って、2度も「わかんないです」と言ったあと、怒られるのが怖くて急いで逃げたんだった。
そう。
そういうことを『桃色遊戯』に書きたい。
2008-03-03 キャラメルコーン食べきらないとお嫁に行けない
ここ数年、毎年スーパーでおだいり様とおひな様のキャラメルコーンを買っている。
ついセットで買いたくなる。
去年のキャラメルコーンが何味だったか、ましてや一昨年のなんてまったく覚えていない。
とりあえず今年のおだいり様は、とくに変わった味ではないようだ。
パッケージがおだいり様の、ふつうのキャラメルコーン。
ただいま3月3日20時。
桃味のキャラメルコーンとふつうのキャラメルコーン、この2袋を早急に食べきらないと、わたしはきっとお嫁に行けない。
夫が上の部屋で、もう1台のパソコンをいじっている。
「ねぇ〜え、キャラメルコーン食べきらないとわたし、お嫁に行けないから一緒に食べようよー!」
と上に向かって叫んでみようか。
2008-03-02 好調好調
守りに入ってはいけない。
今持っているものを守ろうとしても、必ず持っているものは減っていく。
体とか脳に良くないことをしなくたって、体も脳も悪くなるときは悪くなる。
ストレスのない生活をして、かろうじて穏やかににこやかに、円滑な人間関係を維持しようとしたって、わたしはときたま理由もなく壊れる。
守るばかりの生活をしていたら、何かを失ったとき「あぁ、他のものを手に入れることを諦めてまで守ってきたのに」って、恨みがましいことを考えるに決まっている。
そうだよ、そろそろ自分の性格、理解しようよって思った。
自律神経が確実に乱れていくのを実感しながら、今、小説を書いている。
そろそろ漢方薬が切れる。
月曜は、レキソタン反対派の漢方薬屋さんに行ったあと、レキソタンをもらいに精神科に行く。
2008-03-01 「楽しい日記 死」で検索するとたくさんヒットするよ、きっと
わたしはこうしてパソコンに向かえるんです。
ほら、こうして何も考えず、ポチポチとキーボードをたたいて、いつもと同じところでタイピングを間違えて、打ち直して。
なんの苦にもなりません。
むしろ楽しみです。
楽しくなければ、貧乏性のわたしが、こんなふうに、1銭にもならない「ブログ更新」なんてやりません。
たまにストレス発散。
ほとんどが楽しむためにやってます。
だけど小説を書こうとすると途端に……
症状を1個1個あげれば切りがないから書かないけれど、簡単にいうと「死にそう」になるわけです。
紙なら大丈夫だろうと思って、ノートを持ってジョナサンに向かっている最中、人生4度目の死にそうな発作に見舞われました。
これはなんなんでしょうね。
「死にそう」って思うこと自体が病気の症状で、死なないことはわかっているんですけど、また死にそうになるくらいなら、とりあえず今日死んで帰るか……、みたいに思いました。
死んで帰るってのも変ですね。
死んだら帰れませんね。
あと、死ぬときはやっぱり千葉で死にたいなぁ。
中学生のときから何度も何度も登っている、「コープ野○」の踊り場から14年越しくらいについに……
って、そのマンションには、同級生が5人くらい住んでました。
上級生も下級生も住んでました。
べつに中学の頃から、そういった住人の誰かに恨みがあってそこから飛び降りようとしていたわけではなく、地域最大級! 無断で入れる建物の中で、1番高かったと、それだけの理由です。
『階段昇ってる途中に同級生に見つかったら気まずいなぁ。「誰の家に遊びに来たの?」とか聞かれても、6階の階段昇っている途中に、「2階の富田さんちに」とか言ってもものすごい嘘くさいし』
とか思いながら階段を1段1段昇って、最終的には1番上の階の踊り場につくと、細い柵の上にカエルみたいな姿勢で乗っかって、下を見下ろした、あの日とあの日とあの日と……数えきれないあの日が懐かしいです。
そんなわたしの生まれ故郷も今では駅前に20階とか30階の高いマンションが建ち、「コープ野○」は地域最大級ではなくなりました。
それでもやっぱり、最近のマンションはセキュリティーがしっかりしているから、「コープ野○」は「飛び降りられる地域最大級」のマンションであることに変わりはありません。
あぁ。
こうしてわたしは長い文章が書けるんです。
暗くて誰のためにもならない、自分の精神にさえよくない文章なら、いくらでも書けるんです。
わたしが初めて持ったホームページの中身は、ほとんど自伝で構成されていました。
「まだまだ書くことあるぞ!」っていつも思っていました。
面識のあるメンヘル友だち、ふたりだけが見てくれていました。
この文章……書き始めでは「なんの苦にもなりません」と書きつつ、こんな毒にしかならない文章しか書けなくなった自分が情けなくて、ぼろぼろ泣いていたけど、今では涙も止まっています。
ストレス発散になったようです。
こんな文章を書くことでストレス発散をする自分が嫌で、死にたくなりました。
死にたくなったと書いたけど、そういえばもともと死にたかったんでした。
よくわかりません。