かむかむごっくん

2008-10-25

森にえさんって一体誰? 引きこもり作家・滝本竜彦との意外な関係!? このエントリーを含むブックマーク

パンドラ Vol.2 SIDE-A(2008AUTUMN) (2)

パンドラ Vol.2 SIDE-A(2008AUTUMN) (2)

10月9日、文芸雑誌パンドラ vol.2 SIDE-A SURVIVAL ISSUE』が発売になりました。次代を切り拓く若手小説家が一冊に集められており、見た目も中身もブ厚く総ページ数はなんと968ページ。『日日ノ日キ』でお馴染みのはてなダイアラーである吉田アミさんや、フリーウェアゲームサークル『アンディーメンテ』のジスガルド氏こと泉和良さんも目次に名を連ねています。


この雑誌でもう一人、はてなで日記を書いている人がデビューをしていることに皆さんお気づきでしょうか?

パンドラエッセイ」と銘打たれたコーナーにてその人は文章を書いています。

パンドラエッセイ

『ポテトサラダがまずいんだ !』森にえ 335

秘密の花園』 撫子凛 422

パンドラの箱とチョロQ』 田中哲弥 534

『サバイバル』 カラスヤサトシ 876

[もり・にえ]森にえ

1979年生まれ。文筆家。淡々と綴る日々の出来事に、ものすごい切なさと毒を潜ませる期待の大型新人。ココロに響く文章と巧みな構成力にご注目ください!

森にえさんのブログ『楽しい日記』

http://d.hatena.ne.jp/Mori-Nie/

私は森にえさんに非常に興味を持ちました。何故なら、森にえさんのデビューまでの経緯が謎に包まれているからです。例えばライター活動もこなし『サマースプリング』にて小説家デビューをした吉田アミさん、第二回流水大賞優秀賞を受賞した泉和良さんなど、前歴が容易に参照できますが森にえさんはよくわかりません。


f:id:kossetsu:20081025085844j:image

グーグル先生で検索しても・・・!?


では、たまたまブログを読んだ編集者が才能に惚れこみ、原稿を依頼したのでしょうか。私は森にえさんの日記を読んでいくにつれ、ある興味深い仮説が立てられることに気づきました。


それは……


f:id:kossetsu:20081025090407j:image

作家・滝本竜彦と夫婦関係にある人物なのではないか?


滝本竜彦さんといえば2001年に『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』でデビュー。「引きこもり」であることを自称し、多数のインタビューに答え、テレビ出演もしています。作品はアニメ化・映画化するほどヒットしていますが、2003年に発表された『超人計画』以降、単行本の新作は発売されていません。

今年(2008年)の二月には突如2ちゃんねるに降臨し、公式サイトの制作・宣伝をしたかと思えば、数日でサイトを削除してしまうという騒動も起こしています。


f:id:kossetsu:20081025091800j:image

滝本さんの2ちゃんでの書き込み。

f:id:kossetsu:20081025092426j:image

滝本さんが通っていると思われる空手道場のサイトにあった写真。


そんな滝本さんですが、引きこもりと自嘲しつつも、ちゃっかり女性と交際し、結婚に至っています。それはネットラジオでの発表というイレギュラーな形でした。


この前のネットラジオが大変なことに

前回告知していたネットラジオ

ネットラジオ界の歴史に残りそうないろいろと画期的な事柄を含んでいました。

* 特別ゲスト、DJハナカミさん(仮名)の正体が作家の滝本竜彦さんだった。

* 滝本さんの結婚発表をネットラジオで(多分)初告知

* さらに婚姻届保証人欄)の記入を実況中継

f:id:kossetsu:20081025093132j:image


森にえさんのブログには「天才」と称される男性が登場します。縁結び - 楽しい日記

最近日記を書かなすぎなために、「天才」って括弧付きで書いても固有名詞だってことが伝わりずらいと思う。

「天才」というのは一緒に住んでいる天才。

「天才」とは森にえさんの交際相手です。ブログが始まってから数ヶ月間「天才」との同棲生活が綴られるのですが、ある日、正式に結婚したことが発表されます。

その日付が……

2005-12-24 名前書き取り

数日前に結婚し、名字が変わりました。

新しい名前は、山田にえです。

……、ウソです。

ネットラジオにて結婚が発表された数日後です。

もちろんこれだけじゃ根拠に乏しすぎます。同時期に結婚しているカップルなんて何百組もいるでしょう。

では「天才」とはいったいどういう人物なのか、森にえさんのブログから見ていくことにしましょう。すると色々な共通点がわかってくるんです。


  • 職業

「天才」の職業が何であるかは明確にはされていません。しかし、端々の記述から推測することはできます。まずは基本的に自宅で行う仕事であろうということ。空の巣症候群 - 楽しい日記

仕事ができなくて家にばかりいた夫が、仕事場を借りて巣立って行った。

一緒にいたからといって、夫は寝てるしわたしは寝てるしで、寝てる人間がひとり減っただけだ。

「仕事場を借りて」となっていますが、前述のラジオで滝本さんも事務所を借りてそこで仕事をしている、というような発言をしています。

徒歩、途方に暮れる(小説) - 楽しい日記

 その間、仕事もしていない。

 自由業なので、なんとかなった。

 いや、なんとかなっていたのは、金銭的問題だけだった。

 男が満足のいく仕事をできなくなって、すでに数年が経過していた。

こちらは小説仕立てになっていますが、登場人物は森にえさんと「天才」をモデルにしています。滝本さんは『超人計画』を発表して以来、新作の刊行がストップしています。

クリエイティヴィティにおいでよ - 楽しい日記

と、ここまで書いたところで、3人がリビングに上がってきました。

そして、夫が『クリエイティヴィティ』という言葉を10回くらい口にしています。

「天才」とその友人との会話で「クリエイティヴィティ」という単語が何回も出てきた、となっています。この記述と上の自由業であるという記述から「天才」の職業がクリエイター系である、と推測できるのではないでしょうか。


  • 髪型

滝本竜彦さんの見た目の特徴として髪の毛を剃りスキンヘッドにしていることが挙げられますが……

f:id:kossetsu:20081025093804j:image

わたしは幸せです - 楽しい日記

……天才は、スキンヘッドです。

なんでスキンヘッドなのかについては書かないけれど、事実、スキンヘッドです。

わたしは天才の頭をしょっちゅう撫でているけれど、それはスキンヘッドだから撫で心地が良くて撫でているわけではありません。

「天才」もスキンヘッドにしています。


  • 出身地

滝本竜彦さんは都内の大学に入学するまでを北の大地、北海道で過ごしています。

関東の空に代わって - 楽しい日記

彼は雪国出身です。

彼の出身地に降る雪は、関東と違って、サラサラしているという話は彼から何度も聞かされました。

コロボックルがコロボックルを作る - 楽しい日記

わたしがコロボックルを知ったのは、北海道出身の天才(「天才」というのは固有名詞です。人物名です)のひとことがきっかけでした。

わたしがパーカーの帽子を被ったとき、それを見た天才が一言、「コロボックルだ!」と言いました。


この悪い状況を打開するため、滝本は近所に建設されたばかりの空手道場に通い始めた。そして始まる、小説を書くための、手に職を取り戻すための、正拳突きの練習しまくる過酷な日々……。

(引用元:『超人計画滝本竜彦 p259)

滝本竜彦さんは心身の鍛錬のため、空手を習っています。また、『電波大戦』での本田透さんとの対談によるとヨガも実践しています。

電信柱を蹴りました - 楽しい日記

そんな感じで、なんでもないことのように、天才とふたり、電信柱を蹴りました。

空手を習い始めた天才は、習ったばかりの前蹴りとかハイキックとかをやりたそうでしたが、それだと骨が折れてしまうので、残念そうに折れない蹴り方で蹴っていました。

わたしは幸せです - 楽しい日記

しかし、白帯とはいえ、天才は空手道場に通っている身……

ひとりで待つ - 楽しい日記

数時間後の深夜、ヨガをやっている夫にわたしは「淡々と作業を進めているわたしに比べて、ちょっと作業が遅れ気味じゃない?」と訊ねた。


縁結び - 楽しい日記

日本でいちにを争うんじゃないかというほど自己啓発本を所有していて、わたしが自己啓発本をばかにすると怒る。

アニメと音楽にも詳しい。

滝本さんも自己啓発書に愛読しています。

生滝本様の生エヴァ語りを拝聴しました - E.L.H. Electric Lover Hinagiku

しばらくあとでは、冨田氏に対して「いまは自己啓発にしか興味ありません!」と明朗快活に断言していた。『夢をかなえるゾウ』についてお伺いを立てたところ、いろいろな自己啓発書のエッセンスをまとめて混ぜ込むには上手いやり方だ、とのことだった。


  • 風俗

上記のラジオにて滝本竜彦さんはソープに通っていると告白しています。

特定の人に渡すために作る名刺 - 楽しい日記

いつのまにか夫のことを「天才」と書くのを止めていました。

たぶん風俗に行ったからです。

「でも風俗に行くのが天才じゃないんならニーチェはどうなんだ、天才じゃないって言うのか?太宰さんはどうなんだ?むしろ天才はみんな風俗に行くぞ」と夫に言われそうなので、仕方なく夫の呼称を「天才」に戻すことにします。

と言っても本人は「天才」という呼び名を特に気に入ってはいないようです。

ニーチェ太宰治を持ち出して自己正当化するところも、何となく滝本さんっぽいですね。


滝本さんは『STUDIO VOICE』での海猫沢めろんさんとの対談において、尊敬するクリエイターとしてアンディー・メンテ泉和良さんの名前を挙げています。アンディー・メンテが主催する運動会(要するにオフ会?)での目撃情報も報告されています。

わたし走ります - 楽しい日記

早く起きる訓練をして、来月のアンディーメンテ運動会に参加できるようになろう!!

特定の人に渡すために作る名刺 - 楽しい日記

わたしたちは、アンディーメンテ運動会に行くという同じ目標に向かっています。

同じ方向を向いています。

森にえさんのブログでもアンディー・メンテのことをたびたび記述していて、夫婦で運動会に参加しようとしています。


どうでしょうか? このように複数の共通点が見つかります。あくまで推測であり、断定はできませんがこのように仮定してパンドラのエッセイを読み返すとまた違った面白味が現れてくるのではないでしょうか。

滝本さんはファウストに「ぐるぐる人生相談」を連載していました。ファウストパンドラは同系統の雑誌ですし、滝本さんを通じて編集者と知り合い、原稿依頼がなされた、と考えられます。

そういえば、2ちゃんねる滝本竜彦スレでは、たびたび離婚ネタが書き込まれますね。引きこもりが結婚生活なんて上手くいかないよ、そのうち離婚しちゃうよ、という推測に基づいたネタです。

森にえさんのブログにこのような記述があります。日付は2008年5月19日。


わたしは違う宇宙の夫を連れてきてしまった

夫が1冊の自己啓発本に出会ったことにより、2年半の結婚生活が終わろうとしている。

その本に書かれてあるとおりの課題を行った結果、(毎朝ノートに3ページ、寝起きのはっきりしない頭で思いついたことをつらつら書く。その他いろんな課題がある)

わたしのことを「もともと好きじゃなかった」ということに気付いたらしい。

「他に好きな人が出来た」でも、「冷めた」でもなく、もともと「なかった」……

これは辛い。


滝本さんが自己啓発書を読んでいることはよくされる話ですが……。現在は離婚を前提とした別居をし、お互い一人暮らしをしているそうです。


わたしは違う宇宙の夫を連れてきてしまった

これからどうするかだ。

女ひとり。

住むところも職もない。

体力もない。

そのわりに、病名からいって生活保護も期待できない。

死ぬか、風俗で働くか、今のところわたしにはこのふたつしか選択肢がないように思われる。


パンドラのエッセイはちょうどこの頃書かれたようです。森にえさんは文筆家の道を選ぶことに決めたのでしょうか。森にえさんの更なる活躍を期待しています。


離婚のキッカケになったらしい本

azaz 2008/10/25 23:12 件のネットラジオを持っているんですか?
もしそうなら是非譲って欲しいのですが・・・
どこ探しても無くて前から聞きたいと思ってまして

jaggingjagging 2008/10/27 22:19 離婚しちゃったんだ…。
ブログ読んでたらやっぱりヒッキーの時と性分変わってないわ滝本さん。
うわぁ……とかすげえ思った。

chocochoco 2008/10/28 21:39 >az
あれってたしか、bittorrentで配布になっていたかと思いますよ