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今週のクローズアップ - 10月20日号 バックナンバー
ノーベル賞・小林誠さんに小学生が取材
「不思議なことはまだいっぱいある」
こどもアサヒ
 ノーベル物理学賞を受賞した3人の日本人のうちの一人、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)名誉教授の小林誠さん(64歳)に、朝日小学生新聞(朝小)リポーターがインタビューしました。理科が好きでロボットに興味があるという朝小リポーターが、理科のおもしろさや小学生時代の思い出などたくさんの質問をすると、小林さんは言葉を選びながら、一つひとつていねいに答えてくれました。
理科のおもしろさは?
知りたい気持ち、大事です
 Q(朝小ポーターの質問) どんな小学生でしたか?
 A(小林さんの答え) 理科に興味があって、『子供の科学』(誠文堂新光社)などの雑誌を読んでいました。当時、理科好きの子どもたちの間では、模型を作ったりラジオを組み立てたりするのがはやっていて、わたしも熱中しました。電気器具をいじるのもおもしろかった。器用ではありませんでしたが、手先を動かすのが好きでした。
 Q ぼくも理科が好きです。だから、ニュースで子どもの「理科離れ」がとり上げられることを、残念に思います。理科のおもしろさを教えてください。
 A 科学者たちは「まだ分かっていないことを知りたい」という思いにつき動かされて研究しています。疑問を持ったら、思いうかぶことをあげてみる。それらを証明するには、どんな実験をしたらいいか設計する。実験は本当にいろいろなことが起こりますが、結果をもとに結論づけるまでが大事。これらを経験するのが理科のおもしろさです。
 学校の理科の授業でも実験をやりますね。ある実験について説明した後、「この結果は何を意味しているのか選択肢から選びなさい」という問題は、結論をおしつけているようなものです。こうしたことに、「理科離れ」の深い原因があるのではないでしょうか。
 Q ノーベル賞は益川敏英さんといっしょの受賞ですが、共同研究にはどんな良さがありますか?
 A 理論を組み立てるうえでも、おたがいの考えを批判しながら話し合うことで、一人ひとりの欠点をおぎなうことができます。
 Q いま不思議に思っていること、研究したいことはありますか?
 A いっぱいあります。特にやりたいのは、物質をつくる一番基本的な要素が「クォーク」のほかにあるかどうかを確かめること。いまは「クォークは六種類ある」とされ、矛盾(理屈に合わないこと)なく説明できているのですが、これだけでは終わらないのではないかと考えられています。
 Q 小林さんのように将来、本当にやりたいことを見つけるためにはどうしたらいいでしょう。
 A 観察などの体験から興味の対象を見つけるケース、学校の勉強を積み重ねていってやりたいことが見つかるケース。方法はたくさんあるのでアドバイスを一つにしぼることはできません。自分の方法でいろいろやってみて、見つけてほしいと思います。
小林誠(こばやし・まこと)
 1944年、名古屋市生まれ。57年、同市山吹小学校卒業。72年、名古屋大大学院博士課程修了。高エネルギー加速器研究機構名誉教授。益川敏英さん(京都大名誉教授)と名古屋大大学院の学生時代からいっしょに研究を重ね、物質をつくる新たな基本粒子の存在を提唱したことで、ノーベル物理学賞を共同受賞(朝日小学生新聞 10月12日けいさい)
朝小リポーターの問いかけに、おだやかに答える小林誠さん=東京都千代田区の日本学術振興会で
朝小リポーターの問いかけに、おだやかに答える小林誠さん=東京都千代田区の日本学術振興会で
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情報提供:朝日小学生新聞
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