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ここから本文エリア 14歳未満 万引き増えた2008年10月28日 刑法犯少年の増加要因に 少年の万引きが後を絶たない。県内で、窃盗や暴行などで検挙・補導された刑法犯少年の人数は昨年まで5年連続で減少していたが、今年に入って増加に転じた。その大きな要因が、14歳未満の少年の万引きの増加だ。その犯行の背景も変わりつつあるようだ。(高野遼) ばれても「平然」 見張り立て集団 保護者も困った 「万引きは犯罪なのに、注意したこっちが悪いような態度をとるんですから……」。富山市内の大型書店の店長は最近、少年の万引きに変化を感じている。 被害はコミックがほとんど。最近は中学生の犯行が目立つ。週末や試験期間中の場合が多く、大人と違って財布の中にお金が十分に入っているのが特徴だという。 集団の犯行も増えた。時には「見張り役」や「近づいた店員に声をかける役」までいて、大量に持ち出すことも。また上級生に命令されてくる子どもが多いのも気になるという。最近は、携帯電話のサイトで「狙いやすい店」や「防犯タグの外し方」などの情報が流れていると聞く。 保護者の対応にも頭を抱える。その場で子どもをしかる親は半分もいない。開口一番「いくら払えばいいんですか」と聞いてくることもある。反省せずに繰り返されても困るから、すぐに警察に通報するケースも増えた。 県警少年課によると、検挙・補導された刑法犯少年の人数は、昨年上半期まで5年連続で減少していたが、今年は前年同期比17件増の357件。うち75件が14歳未満の少年で、前年同期より19件も増加した。 万引きの件数は、04年からは毎年50件前後のペースで減り続けていたが、今年になって増加している。すでに136件あり、前年同期比で19件増となった。 減少傾向の中での万引き増加に、同課も首をひねる。「店からの通報が増えたという要素もあるが……。中学生の万引き件数が増えていることは事実です」。警察の取り調べに対しても、子どもの言い分だけを信じて「うちの子はやっていない」と、苦情を言う親もいるという。 万引きは、自転車盗などと並んで「初発型非行」と位置づけられている。刑法犯少年の約7割にあたり、軽微だからと言って決して軽視できない。同課は「万引きは、簡単に言うと『非行の入り口』。ここで止めてあげないと、非行はどんどん深くなってしまうんです」。
マイタウン富山
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