2人の死刑執行 いわき母娘強殺死刑囚ら

 森英介法相は28日、女児2人の誘拐、殺人罪などで死刑が確定した久間3000年死刑囚(70)=福岡拘置所=と強盗殺人罪(被害者2人)に問われ、死刑が確定した高塩正裕死刑囚(55)=仙台拘置支所=の刑を執行したと発表した。2人の確定から執行までは約2年。確定死刑囚は101人となった。

 死刑執行は9月11日以来で、麻生内閣では初めて。今年は5回計15人となり、執行者数が公表されるようになった1999年以降、年間執行回数も執行者数も最多を更新した。また鳩山邦夫元法相時代からの約2カ月に一回の執行ペースがより定着した形だ。

 森法相は会見で「いずれも非道な動機から尊い人命を奪った。遺族にとって痛恨極まりない事件であり、粛々と職責を果たした。間隔は意識していない」と述べた。

 確定判決などによると、久間死刑囚は1992年2月20日、福岡県飯塚市の路上で登校途中の女児2人をワゴン車に乗せて誘拐し、首を絞めて殺害するなどした。

 同死刑囚は94年に逮捕され、捜査段階から一貫して無実を訴えたが、一、二審とも死刑で最高裁も2006年9月に上告を棄却、確定した。

 高塩死刑囚は04年3月18日、福島県いわき市の知人宅に押し入り、知人の妻=当時(83)=と次女=同(55)=の胸などをナイフで刺して殺害した上、現金約5万円を奪った。

 仙台高裁は06年12月、無期懲役の一審福島地裁いわき支部判決を破棄、死刑を言い渡し、高塩死刑囚は弁護人の上告を取り下げて同月死刑が確定した。

◎「粛々と職責」/森法相会見

 就任後初めての死刑執行後、東京・霞が関の法務省で記者会見に臨んだ森英介法相は2人の氏名などについて説明を終えると「法の求めるところに従い、粛々と職責を果たしました」と述べた。硬い表情で何度もまばたきし、つばをのみ込んでいた。

 執行は保岡興治前法相時代の9月11日以来約1カ月半ぶりで、保岡氏の前の鳩山邦夫元法相時代に定着した早いペースを踏襲した形だ。

 「今後もこのペースが妥当と考えるか」との問いに「時期や間隔は一切意識していない」と強調したが、記者の質問への答えに詰まって何度も書類を見返すなど、終始緊張した様子だった。
2008年10月28日火曜日

福島

社会



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