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妊婦受け入れ拒否死亡:厚労相、国の情報収集不足反省 江戸川区医師会を聴取 /東京

 脳内出血を起こした都内の女性(36)が8病院に受け入れを断られた後に死亡した問題で、舛添要一厚生労働相は27日、江戸川区医師会の幹部から意見聴取した。医師会側が、都立墨東病院(墨田区)の産科医不足は以前から問題化し、地元医師会などが補充を訴えていた経緯を説明したのに対し、舛添厚労相は「早くSOSを発していただければ、お手伝いができたかもしれない」と指摘、国の情報収集の不足も反省点に挙げた。

 医師会によると、墨東病院では07年1月から常勤の産科医が3人まで減ったため、病院側が東部医療圏(墨田、江戸川、江東区)の医師会と産婦人科医会に産科医派遣の協力を求め協議を重ねていた。しかし異常分娩(ぶんべん)を扱う機会が少ない開業医から希望者は集まらず、医師会と産婦人科医会は今年2月、都病院経営本部と墨東病院に補充の見通しなどを示すよう要望書を提出したが、回答はなかったという。

 徳永文雄医師会長は「今回の事件は、医師不足から起きた悲劇で、医学部定員減や新しい臨床研修制度の導入などで医師は疲弊している」と指摘。舛添厚労相は「私どもの反省を言えば、周産期医療センターを全国に作ったけれど、どうなっているかの情報収集を欠いていた。緊急に全国の状況を調べさせている。墨東病院も1人、医師が来ていただければ何とかなるので、全力でお手伝いしたい」と述べた。【清水健二】

 ◇週末の墨東病院、当直1人解消されず--都、産科医確保に全力

 この問題で、当時週末で産科の当直医が1人だけだった墨東病院は25~26日、問題発覚から初めての週末を迎えた。心配された母体搬送はゼロだったが、日曜(26日)の産科当直は1人体制のままで、深刻な医師不足の状況は変わっていない。

 都病院経営本部によると、墨東病院の産科当直は土曜の25日が常勤医とシニアレジデント(後期臨床研修医)の計2人、26日は常勤医1人の体制だった。産科医不足が深刻化した7月以降、原則として週末の当直を1人にしているものの、月に1日程度は2人体制にしているという。

 問題発覚後、都は産科医確保に全力を挙げているが、具体的なメドは立っていない。引き続き医師数が多い大学病院への協力依頼などを続ける方針だ。【須山勉】

毎日新聞 2008年10月28日 地方版

 
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