コラム〜RCC西野のレゾナンスな日々

 

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<平成15年1月9日>

●島田貴光先生との思い出

コスモヴィレッジさんのHPでご存知の方も多いと思いますが、島田貴光先生が亡くなられました。昨年12月27日のことだそうです。
ご本人の意思ということで密葬で済まされましたので、実際に私が知ったのも年が明けて7日のこと。私が何も知らずに出してしまった年賀状のお返事からでした。

入院されているころは、ちょくちょく病院から我が家にお電話をいただき、こちらが恐縮するほどでした。皆さんといっしょに書いた掲示板での応援メッセージをお届けしたこともあり、非常に喜んでおられたのを思い出します。
最近ではオーディオ誌面でご自宅での試聴風景なども載ってましたので、「便りがないのは元気な証拠」とばかり思っていました。非常に残念です。

島田先生とは、本当に楽しい思い出しかありません。
レゾナンス・チップがデビューしたばかりのころも、何とかこの音質の変化が計測できないかと2人でいろいろチャレンジしたものです。計測信号音の“ピー”がレゾナンス・チップ・チューンにより違って聴こえるのに、計測器には出てこない。なんとも歯がゆい実験でした。
人間の耳の性能の良さを再認識しつつも、“測る”ことの大切さを教えていただいたのです。

そのときの島田先生のフットワークの良さは、とても印象的でした。パッと立ち上がっては計測マイクへ、サッとしゃがんでメーターを覗き込む。私のほうが、よっぽど腰が重かったですね。

島田先生のオーディオ・システムも衝撃的でした。特にリビングの音は圧巻。「先生、もうマルチアンプのレベルを触っちゃダメですよ!」と言ったら、困った顔をされてましたっけ。

最近では、もっぱらネットワークのご相談。
愛車のオーディオにアルパインさんのDDDS7を導入したときも、ネットワークは島田先生設計のものでした。ツイーターと見事な繋がりをみせ、“轟音号”の名に恥じぬパワフル・サウンドを実現です。そう、島田先生の音はガッチリした低域が特長でしたね。

新開発モニター“PUMA−ONE”のウーファー部のネットワークでも、島田先生に随分とご相談しました。「先生、本体の音と上手く繋がらないんです。」と泣き言ばかり言っていた私。ヒントをたくさん頂戴し、そこから生まれたのが現在の定数です。

私は一番末席ながら、島田先生の“ラッパ道”の生徒であったと思っています。なんといっても残念なのは、完成した“PUMA−ONE”の音を先生に聴いていただけなかったことです。
イイ音のラッパができたんですよ、先生!

島田先生のスピリットは、我々の世代にも脈々と流れ、受け継がれています。オーディオの灯もけっして消えることなく、輝きつづけるでしょう。
島田先生のご冥福を心からお祈りいたします。