岩手の医療上手に利用 集中防ぎ医師負担軽減岩手県は11月下旬、医師の負担軽減を県民総参加で考える「地域医療推進会議」を設立する。医療、福祉のほか教育、産業団体も加わり、中核病院への患者集中を防ぐため意識啓発などを進める。県は来年度に予定している医学生への奨学金制度の拡充とともに、医師不足解消につなげる。正式名称は「県民みんなで支える岩手の地域医療推進会議」。医療関係、商工団体のほか、老人クラブ、婦人団体など県内の計85団体に参加を呼び掛ける。 会議は、参加団体や一般を対象に「地域講座」を開催する。患者の中核病院への集中や安易な時間外利用で、医師の労働環境が悪化し、医師不足を招いている現状を伝え、かかりつけ医を持つことや適正受診の大切さを広める。 県は併せて、シンポジウムを開催するほか、啓発用DVDを作製。医師不足の現状や患者の大病院志向などを把握する県民と医療従事者を対象にした意識調査も行う。 奨学金制度は、岩手医大が来年度、県内出身者の入学枠「地域特別枠」を広げるのに伴い、対象を現行の10人から15人に拡大する。支援額は本年度と同様に、1人当たり年額420万円、入学一時金530万円。 県保健福祉企画室は「医大の定員増で医師確保を目指すが、医大生が地域で活躍するまでには時間が掛かる。この間の地域医療を守るためにも、県民運動を盛り上げて、医師が岩手に残りたくなるような医療環境の整備につなげたい」と話す。
2008年10月28日火曜日
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