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働く女性のリアルリポート

女の幸せは、収入で決まる?!

不安定な時代をサバイバルするには

 現在の自分が置かれている状況により、将来への不安を感じている人も多い。アンケートによると貯蓄額の平均は446万円だが、「現在の貯蓄額に満足していない」と答えた人は、なんと80%! 理想の金額は平均1256万円であり、その目的は、1位が「病気や失業など万一に備えて」(45.2%)、2位が「老後資金のため」(44.5%)であった。

 しかし、こうしたアンケート結果を見て「不確定な遠い未来を心配しすぎなのでは」と指摘するのは、ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんだ。「まずは自分のキャリアとマネーについて、現状を把握することが第一歩。その後、3〜5年後など中長期的な視点を持ってプランニングしていくことで、自分に必要な貯蓄額や年収アップの目標などもはっきりします」とアドバイスする。

 今の年収・月収が自分でもぼんやりとしかつかめていない人は、まずは源泉徴収票を見直してみよう。また、月々何にどれくらい使っているのか分からない人は家計の洗い出しをし、使いすぎや無駄を探して、その分を節約すること。もしかしたら、節約だけでなくキャリアアップや転職による収入アップが必要だということが分かるかもしれない。その場合は、改めて自分のキャリアプランを考える必要がある。

 このように、お金を管理することで自分の取るべき行動が見えてくる。漠然とした不安を解消するためには、マネーセンスを身につけることも必要なのだ。

「人とのつながり」が老後の豊かさのカギを握る

 これまで「女性の幸せ」を、「稼ぎ力」と「マネーセンス」というお金の面から見てきた。しかし経済評論家の森永卓郎さんは、「年収300万円以下になると日本の社会は生きづらくなる構造になっているので、その金額を最低限維持してほしい」としながら、人生の幸福度を左右するのはお金以外のファクターもあるという。

 「老後を豊かに過ごしているのは、打ち込める趣味があり、人とのつながりがある人です。そういうものを作ることも、人生の幸せのためのセイフティーネットになります」

 森永さんによれば、欧州では年収300万円程度の人が多いが、仲間同士でおかずやワインを持ち寄って会話を楽しむといった、質素だが豊かな人生を送っていると言う。

 不況や破綻していく社会制度など、不安になる要素が多い昨今ではあるが、だからこそ、生活していかれる程度の「稼ぎ力」と、収入の範囲でやりくりするだけのマネーセンスを持つことが必要だ。そして、人とのつながりや自分なりの楽しみなど、お金に左右されない“本当の豊かさ”に気づくことも大切なのである。
 
 アンケートなどについての詳細は、「日経WOMAN」11月号特集「『お金と幸せ』ハッピー★セオリー」を参照してほしい。

(岸本 洋美=日経WOMAN編集)

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著者プロフィール

日経WOMAN

woman 「日経WOMAN」は、30歳前後の働く女性のための仕事・生活情報誌です。「仕事を楽しむ・暮らしを楽しむ」をキャッチフレーズに、オンとオフをバランスよく調和させる現代の女性たちに役立つ情報を提供します。

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