10月27日のながさきニュース
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長崎新聞
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自衛隊病院の一般開放も 防衛省、佐世保の施設など見直し
防衛省は病床(ベッド)の利用率低迷、収支の悪さが指摘されている佐世保を含む全国の自衛隊病院の在り方を見直す。隊員と家族に限定していた利用を一般市民に広げ、病床数を基本的に減らす方針。具体的な実施時期は決まっていないが、「できるだけ早く青写真を描きたい」としている。
自衛隊病院は隊員の健康管理、訓練中のけがなどに対応する職域病院として、一九五五年ごろから総監部や基地の近くに設置。現在十六カ所(施設)で県内は海自総監部がある佐世保市だけ。
防衛予算で運営され隊員の利用は基本的に無料。家族は一般病院と同様、保険証を出して受診する。強制ではないが、隊員には利用を勧めており、送迎バスを出しているところもあるという。
一般への開放を求める財務省が設けた財政制度等審議会の資料によると、病床利用率は14−40・8%。歳出を歳入で割った数値は193・8−637%と、すべての病院で大幅な赤字となっている。
防衛省は病床利用率の低迷について、有事に備え一定数の空きを確保していることや、診療数が少なく「腕が上がらない」と医師の早期退職が多いことなどが要因と説明。一般の病院と同様、医師が不足し、防衛経費の伸び悩みから設備投資なども思うようにできない。医師の技術向上を主な目的に、東京や福岡など五カ所では既に一般利用者も受け入れているという。
佐世保病院(佐世保市平瀬町)には内、外、リハビリテーションなど八つの診療科目(うち皮膚科は休止中)がある。ベッドは計五十床で利用率は27・1%。医師不足も深刻で、院長自ら診察に当たっているという。防衛省の見直し方針について病院関係者は「施策に従うしかないが、職域病院の現状では開放は難しい面がある」としている。
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