皆さんの中でパソコンを自作したりメモリを増設をしたことがある人はご存知だと思いますが、64bitのWindowsでは4GB以上搭載可能ですが、32bitのWindowsXPやVistaでは物理的にメモリ容量4GBを搭載してもWindowsOSの仕様により、OSから利用できるメインメモリは約3GB程度となります。
せっかくメモリが暴落している現状で4GB以上のメモリを安く買うことができても、3GBちょっとしか使用できないのは非常にもったいない。そこでOSでは認識されないメモリ領域を有効活用する方法をご紹介しましょう。
★32bit Windowsで3GBまでしかメモリを使用できない理由!
まずは32bitのWindowsで3GBまでしかメモリを使用できない理由を簡単に説明しておきましょう。本当ならば32bitOSでも2の32乗(4,294,967,296)までのアドレス空間を利用することができ、理論上は4GBまでのメモリを使うことが可能なのですが、Windowsではメモリマップ I/O (MMIO) 領域を使用するため、最初の4GBのアドレス空間の中にこのMMIO領域が存在する必要があります。
例えば、512MBのメモリを内蔵したグラフィックカードがある場合、メモリは4GBのアドレス空間内にマップされる必要があり、グラフィックメモリのマッピングによりシステムメモリの一部が上書きされ、オペレーティングシステムで利用可能なシステムメモリの総容量が減少します。そのため32bit版のWindows Vistaで利用可能なメモリの最大値は3.12 GBに制限されています(搭載されているデバイスの数によっては3GB以下に減少することがあります)。この制限によって32bitのWindowsでは4GB以上のメモリを搭載しても3GBちょっとしか使用できないというわけです。
★Gavotte Ramdiskを使って32bit Windowsでメモリを4GB以上使う方法!
今回紹介する方法はGavotte Ramdiskを使ってWindowsのOSでメモリとして使えない部分をRAMDiskとして使えるようにするものです。この方法によってOSの認識メモリが8Gとかになるわけではありませんが、普通では使えない部分を有効活用することができます。
4G搭載している場合OS認識メモリ(3Gちょい)+RAMディスク(約700MB以上可能)
8G搭載している場合OS認識メモリ(3Gちょい)+RAMディスク(約4.7GB以上可能)
Ramdiskを利用するメリットとしてはHDDに比べてメモリは書き込み読み込み速度が非常に速いため、 IE等のキャッシュ用途、ゲームのローディング解消等、HDDの読み書き速度がボトルネックになる部分が解決することができます。 具体的にはゲームで5秒〜10秒のNowloadingと表示されていた部分がほぼ0に近くなったりします。
私のパソコンにはすでに1GBx2の合計2GBのメモリが搭載されていたのですが、メモリ価格が暴落していることもあり今回は新たに2GBx2の4GBを購入しました。4GBもメモリを買っても1万以下で済むなんてすごい時代になりましたね。
ちゃんと6GB搭載されていることが分かります。
しかし、タスクマネージャで見ると物理メモリは3GBしか使われていないことが分かります。
実際に4GB以上のメモリを搭載したので、さっそくGavotte Ramdiskの使い方を説明したいと思います。
1、Gavotte Ramdiskをダウンロードしてきます。
2、rramdisk.zipを解凍します。
3、ramdisk.exeを右クリックして「管理者として実行」を押します。
4、「Install Ramdisk」を押します。
5、「このドライバソフトウェアをインストールします」をクリックします。
6、「Disk Size」はディスク容量、「Driver Letter」はドライブの文字列、「Media Type」を選択して「OK」を押します。
「Disk Size」はOS領域外メモリより小さいと自動的にOS領域外メモリまで引き上げられます。 OS領域外メモリより大きい場合、領域外メモリ+不足分を領域内メモリから引っ張ります。
・16MB指定→領域外700MB→自動的に700MB
・2G指定→領域外700MB→領域外700MB+OS領域内から1300MB
「Media Type」の選択は通常のRamDiskとして使う場合は「Fixed Media」を選びます。VistaでReadyBoost使いたい場合などは「Removable Media」 を選択します。
7、「Success」が出れば成功です。あとは「OK」を押します。
8、ここでいったん再起動します。マイコンピュータを開くとRamdisk(Z:)ができているので、Ramdisk(Z:)を右クリックして「フォーマット」をクリックします。
9、「開始」をクリックしてフォーマットを開始します。
10、「OK」を押します。
11、これでフォーマットは完了しました。
これでRamdiskが使えるようになりました!このRamdiskを有効活用する方法としてはブラウザのキャッシュを置く、ページングファイルを置く、OSのテンポラリを置くなどの方法がありますが、今回はOSのテンポラリをRamdisk上に置く方法を紹介したいと思います。
★OSのテンポラリをRamdisk上に置く方法!
1、Ramdisk上にTEMPフォルダを作ります。
2、「コントロールパネル」→「システム」→「システムの詳細設定」を開き、「環境変数」をクリックします。
3、ユーザーとシステムの環境変数の編集を押して、TMPとTEMPの値をZ:\TEMPに変更します。
これでシステムのテンポラリをRamdisk上に置くことができました。この作業の効果としてはパソコンの速度の向上のほかにHDDの書き込みを減らすことができます。この他にブラウザのキャッシュをRamdisk上に置くと非常に高速にウェブ巡回を行うことができます。ページングファイルを置く作業については、メモリが大量に載っている状態ではRamdiskに乗せるよりページングファイルはなしにした方が効果があるかもしません。
★物理メモリが2GBになってしまう場合
メモリが指定したディスクサイズと一致しない場合や物理メモリが2GBになってしまう場合はPCIメモリ リマッピングが有効になっている可能性が考えられます。
BIOSの設定からMemory Remmaping Featureを無効にします。
これでも駄目な場合はBcdedit.exeを使用してPAE(物理アドレス拡張)をオンにしてみましょう。管理者権限でコマンドプロンプトを立ち上げてbcdedit /set pae ForceEnableと入力します。
Gavotte Ramdiskはすばらしいですね。今までは4GBのメモリを乗せても3GB以上は使えなかったところが、このソフトウェアを使うことでその管理外領域を有効活用することが可能となったことは非常にうれしいことです。64bit OSでなくてもメモリを大量に買う意味ができました。
Ramdiskのアクセス速度はHDDに比べると10倍近く速いのでいろいろ活用できますし、Ramdisk以外にも「Removable Media」 を選択することでリムーバブルディスクとして認識させReadyBoostに使うこともできます。ReadyBoostはメモリが大量にある環境ではたいした効果は期待できないといわれますが、USBフラッシュメモリより全然高速なのでもしかしたらかなりの効果があるかもしれませんね。メモリが余っている人はぜひこのGavotte Ramdiskを試してみてはいかがでしょうか?