周りは紳士だらけ。楽しませ上手こそジェントルマン。―大宮エリー 映画監督・脚本家
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ELLIE OMIYA |
CMプランナー、脚本家、映画監督にしてエッセイスト……と、さまざまな分野で活躍中の大宮エリーさん。手がける番組『サラリーマンNEO』(NHK)や著書『生きるコント』に登場する人々は、ちょっとハズれていて、でもどこか憎めない。そんな敏感な人間観察眼の持ち主ならば、“紳士”と認めるハードルはかなり高い? と思いきや、「う〜ん、周りは紳士だらけですね」と意外な言葉が。「生き馬の目を抜くような業界にいるからこそ、ちょっとした紳士的側面を見つけると、けっこう感動するんです」。
彼女の“紳士の条件”とは、「言葉使いが丁寧」「相手に対する気遣いができる」「ポライト(礼儀正しい)」であること。「コートを肩にかけてくれたり、タクシーを拾ってくれるのも“紳士”だと思うけど、相手の状況を考えて、さりげない気遣いができる人こそ本当の“紳士”だと思います」。
例えば「道がわからない私のために、一般人に囲まれるのも構わず目立つ場所で待ってくれる“自虐的紳士”」のお笑い芸人の板尾創路さんや、「誘う時必ず『忙しいなら断っても大丈夫ですよ』とこちらの状況を考えて、ちゃんと逃げ道を与えてくれる」アンガールズのふたりも、エリーさん的紳士道を持つジェントルマンたち。また秋元康さん(1)は「座っただけで普通の椅子がソファに見える(笑)」という、持ち前のオーラはもちろん、「仕事でも僕が全部フォローするから、君は何をしてもいいよと思わせてくれる」という懐の深さが紳士的とか。また、「知識をひけらかすことなく、常にこちらをリードしてくれる。まさに“二枚目”」。というのが俳優きたろうさん(2)。相手に対する想像力を働かせることができる余裕が“紳士”だと言う。そして誰になんと言われようとも、自分のスタイルを持ち続けるのも、必須ポイント。あの矢沢永吉さん(3)や、ガンジー(4)も彼女にとっては「究極の紳士」なのだ。
映画にしてもTVにしても、自分をどんどん表現していかなくてはいけないこの世界。けれども、第一線の人ほど、相手の気持ちを理解して、行動できる人が多いとか。人を楽しませることこそ、紳士の嗜みなのかもしれない。「紳士たるもの、相手の気持ちに不感症ではだめ!」。彼女のその言葉、しかと受け止めるべし。
[大宮エリーさんが挙げた「紳士」たち]
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溢れる包容力も紳士の魅力。 |
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本当の“二枚目”とは彼のこと。 |
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貫くYAZAWA流が紳士の証。 |
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これぞ究極のジェントルマン。 |
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