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「麻生首相はアキバで演説している場合か」円高、株価暴落に広がる不安 (3/4ページ)
【証券各社】
証券大手の「野村證券」でも、市場が開いた直後の一報だったが、窓口で大きな混乱はみられなかったという。
ただ一向に光が見えない株価持ち直しに、最近では、一部の投資家から「そもそも、どうしてこうなったのか」「今後、日本はどうなるのか」と言った不安の声が徐々に漏れているという。
個人投資家を多く抱えるネット証券大手の「カブドットコム証券」では、普段よりも少し問い合わせが多いというが、電話がパンクするような状態にはならなかった。
臼田琢美・常務執行役は「大口投資家らは、いまさらジタバタしないだろう。ここ最近では個人が安値で買おうとする動きが活発化し、新たに株を初めようする人も出てきて、初歩的な問い合わせが多いだけ」とし、「新たな顧客層が定着すれば、今後が面白い。市場が活発化するのをじっと待つしかない」と話していた。
【トヨタ】
トヨタ自動車や関連会社にも平均株価がバブル経済崩壊後の最安値を下回ったことへの不安が広がった。
名古屋市のトヨタ自動車名古屋オフィス。出社した社員の1人は「一番怖いのが販売現場への影響。株安が消費者心理に影響を与えてこれ以上販売が冷え込むのが心配だ」と語った。
愛知県豊田市の下請けの自動車部品メーカーは、トヨタの海外拠点の減産に併せて生産計画を下方修正した。社員は「原料高が解消していないのに輸出と内需が冷え込むのはダブルパンチ」とあきらめ顔で話した。
【別府温泉】
日本有数の温泉地、大分県の別府温泉。海外からの観光客誘致に力を入れてきたが、このところの急激な円高で、既にツアー客のキャンセルが相次いでいる。
別府市観光協会の高倉秀樹事務局長は「いつもツアーバスが3台止まっている駅前のホテルも、最近は一台しかない」とため息を漏らす。外国からの観光客の大半を占める韓国人観光客は、同国内の景気悪化もあって、昨年に比べ1−2割減。「株価の最安値更新と並行して、円高もますます進むのではないか」と頭を抱えていた。