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2008-10・29号

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オバマ外交の強さを私はこう見る

 「オバマ外交の正体を見よ」(7月30日号)を読んだ。ここアフリカではバラク・オバマ上院議員は「生きた歴史」とみなされている。
 私たちの目には、オバマがアメリカの素晴らしい面すべてを反映しているように見える。彼はジョージ・ワシントン、エイブラハム・リンカーン、フランクリン・ルーズベルト、ジョン・F・ケネディのような大統領になるだろう。
 彼の演説は、偉大な公民権運動指導者マーチン・ルーサー・キング牧師を連想させる。私たちはオバマを同じアフリカ人と考えているし、自身の先祖の伝統に誇りをもっていると感じている。
 オバマがアフリカ問題を扱う際には、指導者や大統領になりすました迫害者に惑わされず、絶望的な貧困にあえぐ人々から、正確な現状を学ぶといいだろう。

Kenechukwu Oyeka(ナイジェリア)

 オバマ外交の強さについての記事にとても満足している。アメリカの保守主義の大きな危機についてつけ加えたい。
 保守派はデマを吹聴し、小言をいう祖父のような存在になった。経済危機で苦しむアメリカを、ジョン・マケイン上院議員の元アドバイザーのフィル・グラムは「弱虫の国」と呼んだ。何万人もが家を失い、何百万人もが医療保険のない状態でも、保守派の答えは「愚痴を言うな」だ。
 マケインが打ち出した外交の処方箋といえばイラク戦争の継続。「テロとの世界戦争」という大義名分の下、マケインは「現代の超越した苦闘」と言うが、いいかげんな妄想だ。これではオバマが輝いて見えるのも無理はない。

Craig Haston(イギリス)

 オバマ外交に関する記事の「オバマは、最近の民主党政治家にしては珍しく現実主義の伝統を多く取り入れているようだ」という部分にはがっかりさせられた。
 民主党の大統領たちは、権力を利用したり、脅しに使うことで外交上優位に立てることをよく知っていた。アメリカ国外での三大戦争を戦ったのは、フランクリン・ルーズベルト、ハリー・S・トルーマン、リンドン・ジョンソンといった民主党の大統領たち。ジミー・カーター政権で安全保障担当の大統領補佐官だったズビグニュー・ブレジンスキーは、アフガニスタンでイスラム過激派に資金提供し、ソ連の侵攻を挑発した。
 民主党が夢のような理想主義に陥りがちだとの見方は歓迎できない。アメリカの長く、卓越したリベラル外交の伝統は、ときに現実的、ときに野心的だった。外国の自由と繁栄が、自国の安全を保つために重要なことも知っている。

Craig Willy(フランス)


EUの落第生は豚かまぬけか?

 ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインの経済がだらしないため、経済学者やジャーナリストから頭文字をとって軽蔑的にPIGS(豚)と呼ばれるようになってしまった(「『ユーロの豚』はなぜ飛べないのか」7月30日号)。
 だがアルファベット順にGIPSとしたほうが、もっと礼儀正しかったかも。ただジャーナリストにしてみれば、キャッチーさが失われるのだろう。オーストリア、スウェーデン、スロバキアが同じような経済問題をかかえないように望むばかりだ。ASS(まぬけ野郎)と呼ばれないように。

Jacques Blanc(フランス)

ニューズウィーク日本版2008-10・29号 P.75

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