【第39回】 2008年10月27日
米国の没落により、日本は中国の天領になってしまうのか?
『隷属国家・日本の岐路』著者・北野幸伯氏が自著を語る
それで、国際的投資家ジョージ・ソロスは08年1月23日、ダボス会議で歴史的発言をした。
「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する」
これらの事実を見ると、「アメリカの没落はもはや不可避である」という結論にならざるをえない。
「アメリカの覇権はつづくか?」と議論する時代は、もう過ぎ去った。
今は、「アメリカ没落後にむけて、日本は何をするべきなのか?」を真剣に考える時なのだ。
日本は、中国の天領になるのか?
日本は戦後60年以上、平和を謳歌することができた。「日米安保」のおかげである。ソ連も中共も北朝鮮も、「後ろに最強のアメリカがいる」という一点で日本に手出しできなかった。しかし、アメリカが衰退し、「日本の面倒はもう見ません」と宣言すればどうなるだろうか?
「それでは、日本は自立して生きていきます」
そうは問屋がおろさない。日本の政治家は、戦後60年間自分で何かを決めたことがない「依存体質」なのである。
「アメリカが決めてくれないのなら、他の大国に決めてもらおう」となる可能性が極めて高い。
そして、他の大国とは「中国」になるだろう。
米国防総省によると、中国の軍事費は公式発表より3倍多い1400億ドル。これは日本の防衛費の約3倍。文句なしで世界第2の軍事大国である。
さらに国内総生産(GDP)も、後2~3年で日本を超え2位に浮上することが確実視されている。
つまり中国はすでに、アメリカに次ぐ超大国になっている。(残念ながら)中国はアメリカ没落後の覇権国家候補ナンバーワンなのだ。
今の日本には、二つの道がある。すなわち、
「真の自立国家になる」、あるいは「中国の天領になる」。
筆者は、日本が共産党の一党独裁国家中国の属国になることを容認できない。
「なんとか日本を自立した国家にしなければならない」という思いから、本著の執筆を開始した。
日本が自立するために
では、どうすれば日本は自立できるのだろうか? 日本で「自立」というと、「憲法改正」ばかりが議論される。
しかし、国家の自立は、防衛面ばかりでなく、トータルに考える必要がある。
具体的には、経済・軍事・食糧・エネルギー・教育等々。本書では、以下のテーマを取り上げた。
第39回 | 米国の没落により、日本は中国の天領になってしまうのか? (2008年10月27日) |
---|---|
第38回 | 高杉良『消失-金融腐蝕列島・完結編』 金融行政に翻弄された人々のドラマ (2008年10月23日) |
第37回 | 脱サラせずに作業は週末 農業で1000万円稼ぐのは難しくない! (2008年10月16日) |
第36回 | ビジネスパーソンに必要な数字力とはなにか? (2008年10月09日) |
第35回 | 編集者が語る『兵法三十六計の戦略思考』 (2008年10月08日) |
第34回 | 勉強ができる子を育てる「黄金の時間割」教えます! (2008年10月07日) |
【異色対談 小飼弾vs勝間和代「一言啓上」】
知的生産術の女王・勝間和代、カリスマαブロガー・小飼弾が、ネット広告から、グーグルの本質、天才論に至るまで持論を徹底的に語り合った。豪華対談を6回にわたって連載する。
PR
- SPORTS セカンド・オピニオン
- まるで出来レース!? 「WBCも星野監督で」の流れに残る“後味の悪さ”
- News&Analysis
- 総務や経理まで中国へ業務移転 日本からホワイトカラーの仕事が消えていく
- 山崎元のマルチスコープ
- 金融危機であなたの生命保険契約をどうするか?
- 辻広雅文 プリズム+one
- 「新興国救済のための新融資制度」提案でヒットを飛ばした日本の財務省の真意
- シリコンバレーで考える 安藤茂彌
- ポールソンがゴリ押しした規制緩和が、 米投資銀行の自己崩壊を招いた
ダイヤモンド社新刊書籍の中から、『一押し』の一冊を取り上げます。著者や担当編集者による自著解説コラムも織り込みながら、注目書籍の内容紹介や読みどころを紹介します。