【北京=高橋哲史】昨年までバブル懸念が強かった中国の不動産市場が急速に冷え込んできた。国家発展改革委員会が22日発表した9月の主要70都市の不動産販売価格は前月比0.1%下落で、2カ月連続のマイナスとなった。昨年秋に強化した金融引き締め政策の効果が表れてきたうえ、米国発の金融危機で景気の先行き不透明感が一気に強まっているためだ。不動産市場が崩れれば、減速感が強まる中国経済に一段の下押し圧力がかかりかねない。
事態を重視した政府は不動産市場のてこ入れ策を相次いで打ち出している。国務院は17日の常務会議で、住宅取引税の税率を引き下げる方針を決定。22日には財政省が住宅購入にかかる印紙税や契約税の一部免除を、中国人民銀行(中央銀行)が住宅ローン金利の下限引き下げなどをそれぞれ発表した。