●OSS基礎論
●OSS応用特論1
●OSS構成特論
●OSS構成特別実験
●特定課題研究A・B
◆プロフィール
立命館大学理工学部卒業。独立系ソフトハウスやオープンソース・ジャパン株式会社を経て、現在はIT教育に専念する。
◆主な研究実績
実務実績:国内メーカーでのUNIX導入や移植に多数携わり、コンパイラの設計・開発を担当。UNIX系の基本ソフトからアプリケーションまで幅広い開発に従事する
若手育成にも感心を持ち、IT企業の新人教育を行う
オープンソースソフトウェアを中心とした講習会の講師としても活躍
『はじめてのオープンソースシステム開発』翔泳社
普段使っているコンピュータの最も基礎的な部分を理解すると同時に、ものの構造を理詰めに捉える習慣を身につけてもらった上で、Linuxの運用・実習を通じ「想像」と「創造」の楽しさを見出していきます。私はC言語のテキストがほとんど出回っていない80年代初頭より、UNIX系の基本ソフトやオペレーティングシステムの開発に携わってきました。現場一筋の技術者として、学生に言いたいことは基礎理論の大切さです。進化の早いIT業界ですが、基礎理論を一度マスターすれば最新技術の理解もそう難しくはありません。2年間でしっかり土台を作り、不得意分野のないオールラウンドプレーヤーを目指してください。
授業では、OSSの歴史や思想を学ぶとともに、OSの仕組みを理解することから始まります。OSなどの基本ソフトは、いかに効率的に実行できるかが重要であるため、一見トリッキーなプログラムがあったりもします。しかし、OSの構造と機能を理解しておけば、トリッキーさよりもむしろそれが正しい上に美しいプログラムであるというのが分かります。つまり、ここで学ぶことは、ITシステム全般の基礎知識に直結するものなのです。日々進化するIT技術ですが、構造の核は数十年間、ほとんど変わっていません。なので、基礎を一度身に付ければ、最新技術の理解も容易。仮に新しいOSが登場しても、何ら問題なく最先端技術者として活躍し続けられるのです。
基礎理論をマスターしながら、次はLinuxを動かして応用知識を学習します。普段何気なく使っているプログラムやコマンドが、裏でどのように動作しているかを「想像」して、「創造」しながら導入・運用までをレクチャー。細かな操作にはあえて触れず、常に本質に迫った内容で、コンピュータを最大限活かすための知識を磨いていきます。
私の授業では教科書の説明をするつもりはありません。学生一人ひとりに疑問・質問を訊ねながら様々な話をして、「発見する力」を育てるためのサポートが授業内容のメインです。「発見する力」は、知恵とひらめきを与えてくれ、品質・生産性を高める原動力。技術者になくてはならないこの力を、2年間で確実に引き上げていきます。
KIC の講義で学んだ知識と社会に出て現場で得た知識の双方が、上手くバランスのとれた時、初めて真の実力になります。質・量ともに膨張を続けている昨今のIT技術。大変かもしれませんが、学生には全分野に精通した、オールラウンドプレーヤーを目指して欲しいと思っています。高い建物には広い地盤が必要なように、高いレベルの技術にも幅広い知識が必要なのですから。