高2女子。中2ごろから生理時の頭痛やめまいがひどく、しゃがみこみ、手の指がけいれんしていたことも。小食で身長、体重は平均以下。症状がひどいと何も食べずに寝ています。レバー等はきらいます。原因と元気になる方法は。(母親)
月経(生理)は、思春期の女性におこる2次性徴の中で代表的なものです。月経中は、頭痛やめまいのほか、腰痛、下腹部痛、食欲不振、脱力感などがあります。「月経困難症」といわれ、高校生くらいでは、約3分の2が日常生活に支障をきたし、約3分の1はご相談者のように、寝込んだり、授業や仕事を休むほど影響があると言われています。
ふつうの月経困難症は、1~2日目ごろの出血量の多い時に症状が強いという特徴があります。しかし、子宮内膜症などの器質的疾患があっても強い症状が出ることがあります。症状が強い時は、婦人科での相談をお勧めします。
一方、「月経前症候群」という症状もあります。月経困難症と同じような下腹部痛や頭痛のほか、乳房の張りなどもありますが、怒りっぽい、涙もろい、無気力、不眠などの精神症状を示すこともあります。月経の1~2週間前から起こり、月経中まで続く場合もありますが、ふつう月経開始とともに消失します。
いずれも女性特有のホルモンと関連しています。規則的な生活、適度な運動、質の高い食生活などが大切ですが、適当な薬物療法は症状を和らげ、生活の質を高めるのに役立ちます。鎮痛薬、抗不安薬、漢方薬、低用量ピルのほかカウンセリングなども有効とされます。婦人科や女性専門外来での受診をお勧めします。
高校生ですから、本人が自分の体を理解し、改善できるところは自分で取り組んでみるとよいでしょう。
毎日新聞 2008年10月26日 東京朝刊