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こんにゃくゼリー:窒息死、新たに3人判明 計22人確認

 こんにゃくゼリーによる窒息事故が相次いでいる問題で、東京都大田区でも昨年4月に3歳男児が亡くなっていたことが毎日新聞の調べで分かった。また、厚生労働省の調査で他に2人の死亡も判明し、確認された死者は22人に上った。実際はなお多い可能性があり、専門家からは「事故情報を迅速に集め、被害を防ぐ体制作りを急ぐべきだ」との声が上がっている。

 大田区の男児は06年10月に自宅でこんにゃくゼリーをのどに詰まらせ、心肺機能停止状態で都内の救命救急センターに運ばれた。一時は心肺機能が回復したが退院には至らず、半年後に亡くなった。毎日新聞が全国209カ所の救命救急センターに06年以降のこんにゃくゼリー事故の有無を尋ねて分かった。

 一命を取り留めた例もある。埼玉県では今月1日、4歳男児が昏睡(こんすい)状態で県内のセンターに搬送された。気管切開で人工呼吸器を付け、意識を回復。担当医は「かなり危険な状態だった」と話す。

 さらに、厚労省が06年の食品窒息事故の搬送例をまとめた調査からも、同年3月に7歳男児、10月に68歳男性がそれぞれ死亡していたことが判明した。

 こんにゃくゼリーによる窒息事故では、消費者からの相談を中心に被害例をまとめている国民生活センターが把握しているものだけで95年以降17人が死亡し、他に警視庁の調べでも都内で今年4月と5月に高齢者が相次ぎ死亡していたことが分かっている。

 子供の窒息事故に詳しい緑園こどもクリニック(横浜市)の山中龍宏院長は「何度注意情報を出しても被害が続くのは、それだけでは効果がないからだ。事故情報をきちんと収集し原因を分析すれば、予防に役立つ。米国の多くの州には子供の死亡事故を登録する制度があるが、日本でも特に子供の事故情報は医療機関が行政に報告するような仕組みが必要」と話す。【板垣博之、柴田真理子】

毎日新聞 2008年10月26日 2時30分(最終更新 10月26日 10時29分)

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