入社後、福岡支店の事務部門からスタートという異色の経歴の持ち主。その後、同支店で仕分け、配送、配車、営業を担当する。その後、本社の営業部に異動になり、各地のセンター立ち上げの補佐的業務に携わる。本社で2年営業を経験した後、「現場の第一線で営業がやりたい」と自ら社長に申し出て、27歳の時に広島営業所に。そこでの活躍が認められて、長崎営業所の所長に抜擢される。1年半の短期間だったが、大幅な業績アップを実現する。2003年3月、東扇島営業所・所長として立ち上げに携わった後、広島営業所に。

  chapter-1 今年は、関東で一緒に頑張ろう。
chapter-2 不可能を可能にした力。
 
 
     神奈川県川崎市。東京湾に突き出したウォーターフロント扇島の一角に、ムロオ東扇島営業所がある。ここは、ムロオが大手外食企業向けの配送センターとして、2003年3月にオープンした拠点だ。
 西は静岡から東は茨城まで、業態はファミリーレストランから牛丼チェーン、ハンバーガーショップ、和食まで、200店舗以上をカバーしている。各地の食品メーカーからの納入された食材は、このセンターで検品・仕分けされ、エリア内の各店舗に配送される。
 ムロオとしては、関東では初となる大型センターの誕生。その拠点の戦略的重要度や規模から言っても、まさにムロオ史上最大の拠点立ち上げだった。
 この立ち上げの指揮したのは、当時、東扇島営業所の所長を務めていた吉本哲也である。プロジェクト発足当時は、入社8年目の29歳であった。
 彼の挑戦は、2000年の正月にスタートした。
 「九州に勤務していた時代に上司だった部長から、年賀状が届いたんです。『今年は、関東で一緒に頑張ろう』のひと言。計画があることは知っており、すでに社内で話題にもなっていましたが、本当に自分が責任者になるのか...冗談かと思っていたら本当でした(笑)」
 吉本にとっても、ムロオにとってもゼロからのスタートだった。
 彼は言う。「土地勘もない地域での展開は、物流業にとってはそれだけで大きなハンデです。まず施設を探すことから始まり、仕分けするスペースの確保、作業量の算出、コストの試算、便組みのシミュレーションまで、一貫したフローを組み立てて、お客様に提案していきました。従来のスーパーとは、取り扱う食材も配送の仕方も違います、事前に同じような外食を扱っている神戸のセンターで研修を積んだのですが、いざ実際に関東に行くと、思ったほど甘くはなかった」
   

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