東北新幹線でも欠陥パネル 首相弟が社長の会社販売

 九州、東北、北陸新幹線とつくばエクスプレスの高架橋で、はく離や脱落の恐れのあるパネル材が使われていたことが24日までに分かった。パネル材は麻生太郎首相の弟泰氏が社長を務める麻生(福岡県飯塚市)が製造、販売した「ASフォームI型」で、既に製造を中止している。

 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)などによると、問題のパネル材が使われた高架橋は、九州新幹線新八代―鹿児島中央間の53工区のほか、東北新幹線の晴山高架橋(岩手県二戸市)、つくばエクスプレスの木曽根高架橋(埼玉県八潮市)、建設中の北陸新幹線の倉見高架橋(石川県津幡町)、金沢高架橋(金沢市)。

 機構はJR各社とともに目視や打音検査を行い、安全性や耐久性に問題がないかどうか調べる。
 麻生によると、このパネル材はコンクリートを流し込む樹脂製の型枠。施工後にはがす必要がない埋設型で、同社が1992年に販売を始めた。下水処理場の貯水池やプールの底などに使われたが、型枠が浮き上がったりはがれたりする不具合が相次いでいた。麻生は02年、この型枠の販売を取りやめていた。

 麻生経営支援本部の藤本昭副本部長は「はがれやすいという事実はあったが、九州新幹線用に販売した当時、社に『欠陥製品』という認識があったかは分からない」としている。
 麻生は病院経営や建設コンサルティング業などを手掛け、麻生首相自身も衆院に初当選する1979年まで、前身の「麻生セメント」の社長を務めていた。
2008年10月25日土曜日

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