2008-10-19 どこにもない
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そういう行為がどれだけ醜いかわからないだろうか。
道徳や倫理というものは自然法の上に曖昧に成立するしかないのだろう。
私がしたことだって非道徳な行いだ。
ただ、私は私の肉体に負担をかけ、個人事で終わらせていることが倫理的である。
現に私は咎められることなく自分の意志のままに堕胎した。
それだけのことだ。
子供が好きで育てている人は、個人の価値観で育てることに意味を見出せばいいし、
私はそういう人々を否定するつもりはない。
私はそういう人々の内に含まれないだけのことだ。
いつの日か心変わりをする日が来るかもしれない。
けれどもそのときには既に遅く、過去を悔やむかもしれない。
それでも今の私には子供は障壁でしかない。
更に外見に関して言及…というより罵声でしかないのだが、
そういうものを浴びせてくる人はお門違いも甚だしく(私はモデルでも芸能人でもない)、
ここが一般人の自己満足日記でしかないことを頭に留めてもらいたい。
そんなに嫌いならば見なければいい。
野次馬はそれこそ醜悪でしかないもの。
2008-10-09 29歳の最後にしたこと
■子殺し
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この場所は私の場所であるけれども、何か得体の知れないものたちの巣窟とも繋がっているようで、
精確に私の場所であるとは定義し難くなっていた。
それはここが公開された場であるからこそのことなのだけれども。
アンモナイトの殻の奥、内省を始めてから何年が経過したことだろう。
始めは大学生だった。
私はあらゆるものに餓えていた。
あらゆるものに脅え、あらゆるものを欲し、あらゆるものから逃げ、あらゆるものであった。
30歳になりました。
29歳最後の二週間。
一日目に母となり、十日目に子殺しをし、十四日目で三十路の女となりました。
母となったその日に言われたことは「来年の4月29日が出産予定日です」。
実際にあの子が何日間、私の中に居たのかは知らないけれども、
「妊娠6週目になります」と言われました。
7週目にはあの子は私の中から、何か金属製の巨大な耳かきのようなもので、
柔らかい身体を幾度も穿り返されて、この世に死んで出てきました。
毎夜、大量の睡眠薬を飲む私の中で、子がいったい何回卵割出来たのか、
生きていたのか、死んでいたのか、既に異形のものとして成長している途中だったのか、
私にはそれすらもよくわかりません。
何故……
母親の心がわかって恐ろしかったのね。
手術中の他人の会話や看護士たちに押さえつけられた感触など
もうそれはそれは殊更明確に記憶しているのであります。
これでも一応は人工中絶手術の手順について詳しく書かれたサイトを
幾つか見てはいたのですが、私の場合はまったく違うものでした。
私は押さえつけられてはいましたが、自ら暴れることもなく、
ただ「よろしくお願いします」、「お手数かけます」と人の声がするたびに唱えていました。
病室に一人になったとき、手の指を動かしてみました。
動きました。
足を上げてみました。
少々辛かったものの、上がりました。
患部は多少じんじんする程度でした。
思い切って目を開けてみました。
思い切って上半身を上げてみました。
少し眩暈がしただけでした。
思い切って立ち上がってみました。
ふらつきましたが歩けました。
書いてあったこととまるで違うな、そう思いました。
2008-07-31
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顔が似ている動物は「駝鳥」だと主張したい。
別に本当に似ているとは思っていないが、単孔の女・陳家蘭を浮かべて挙げたのだ。
澁澤龍彦の『高丘親王航海記』に登場する旧きカンボジアの王宮、
特別に作られた後宮にいるという世にも珍しい女たちのことである。
アーモンドのような切れ長の瞳に華奢な身体、鎖骨が浮き上がり、
膨らみかけたまま、成長を終えてしまった乳房がついた胸に
長くて黒い髪の毛が垂れている。
その下半身は明らかに鳥のものであり、臍もない。
これは稲垣足穂曰くのV感覚とA感覚を同一化したものなのだろう。
男はとかくP感覚に囚われすぎるし、少年でもなく女でもない生き物こそがP感覚に対し、
私の長く黒い髪の毛は乳房まで長いが、
乳房は膨らみ、張り詰めていて、括れた腰から肉感溢れる尻と太ももが伸びている。
およそ単孔の女とは程遠い、完全な女である。
しかし私は女でありながら卵を産むことがない。
内情は不完全な女である。
Vは完全な遊戯場であり、妓楼である。
私はあなたのことを瞬きもせずに見つめるだろう。
黒目がちで潤みを施す私の瞳には長い睫毛が生えている。
私は自分の目の効果を熟知しているから、あなたのことを見つめるだろう。
身じろぎもせずに見つめるだろう。
伸ばした腕にその腕を絡めなさい。
その胸に沈みこむ白い指に立たせなさい。
妓娼の繰り出す秘戯に吐息を漏らせば
その唇に湿った舌が迎えに行く。
私が声を上げれば、もう、あなたは私の虜。
2008-07-19
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わーい。
ネットで検索したら、恐らく15分くらいでまとめられちゃうかもしれない問題を、
わざわざ書棚から7冊も本を取り出して調べるよ!
ワクワクしちゃうなあ。
トーキングヘッズだったかなあ。
そんな名前のサブカル雑誌が安っぽいテーマばかり掲げていて、
何だかなあって感じなんですけどね、
そこのライターがやばくって、
参考文献にね、ウィキペディアを使っちゃってるの。
そのまま引用してるの。
おいおい、て感じでしょ。
そんなもの、大学生のレポートでしか許されないし、
大学生だって4年生にもなってそんなことしたら、
担当の教授につき返されちゃうよ。
そういうわけで、別に大学に提出するわけでもないんだけれど、
人とお話するからには、不確定であやふやな情報源をあてにするほど、
腐ってはいないのですよ。
遊びとはむきになればなるほど楽しいものだと思います。
『異形の王権』/網野善彦
『歴史の中で語られてこなかったこと』/網野義彦
『日本中世の民衆像』/網野義彦
『紙と祭りと日本人』/牧田茂
『「悪所」の民俗誌 色町・芝居町のトポロジー』/沖浦和光
『辺界の輝き―日本文化の深層をゆく』/五木寛之・沖浦和光
『歴史の中のサンカ・被差別民 謎と真相』/別冊歴史読本
2008-07-08
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風呂上り、化粧水と美容液を付けただけの顔。
最近は「マイナスイオンを出す」という眉唾ものの扇風機で髪の毛を乾かしている。
半乾きになったところで椿油とドライヤーで乾かす。
実は鎖骨の下も肋骨が浮いているのだが、照明が暗いのでわからない。
肌が年々白くなっていく。
ピラティスとヨガの効果で筋肉は美しくつくようになり、
身体がだいぶしなやかになってきたと思う。
去年は大切な人が自殺したショックで72キロまで太ったのに、
今では48キロ。
一年で身体がだいぶ変わった。
球体関節人形になりきる写真作品のモデルにまでなっている。
それでも私は人形になっていない。
オートマトンになれたの?
違うわ。
私は「人形のよう」になりたかったのだわ。
私は探究者。
la puppe
筆者です。automate_tomoです。
私はここには生の自分を出したくありません。
いつも虚像でありたいのです。
ただ、私にはあの人にこれ以上メールをして良いのかわからず、
そしてここに書けば、もしかすると目に留まるのではないかと、
こうするしかなかったことを告げておきます。
人間関係がうまくいかないと、いつもスクーデリア・エレクトロの「miss」を歌ってごまかそうとする。
切なくなると歌う。
「♪全ては僕たちのmisunderstanding~擦れ違っただけ」
この私は虚像だから。
だから仕方がない。
あの人の周囲には明らかに知識ある人たちが集まっている。
私など、取るに足らない存在だ。
単なる色気違いと思われていても文句は言えない。
そんなつもりじゃないんだ。
私には学問上の友人がいないの。
だからあなたが羨ましいの。あなたに近付きたかったの。
確かに学問上の付き合いの人と恋愛が絡んだもの(それは相手からのものばかりで、私は誘惑などしていない)になりがちなのは認めるけど。
でもいつも悲しくなる。
私は性別抜きで話していたのに、話したいのに、
相手はいつも私を女としてしか見てくれないなんて。
私は……。
人と付き合うのが苦手です。
基督教徒ではないので後ろめたさはないです。
育てられもしないのに産むよりは、「人間以前」に処置してあげる方が私の中の倫理に則てますから。